【安全衛生・お薦めの一冊】『建設業の働き方改革 心と身体の健康対策』

機材面で疲れ減らす工夫を

 2024年4月から始まる建設業における時間外労働の上限規制。他業種に比べて労働時間が長いことが問題視され、業界団体なども総力を挙げて取り組んでいる。本書は、働き過ぎで生じる疲労をテーマに、疲れやすい現場の作業、過労死事例、疲労の蓄積度合いを測る方法などを紹介。疲労対策についても、予防と回復、快適な睡眠、疲れを減らす現場の工夫なども助言している。

 例えば、疲れやすい現場の作業には、重量物の取り扱い作業、夜間作業、高所作業、足元が不安定な作業などがある。疲れはヒューマンエラーにつながりやすいため、作業改善が必要になると指摘している。高齢者は疲労回復力が低下していることから配慮が求められるとした。

 現場の工夫では、はしごの場合は、手すり付きで踏みざん幅が広い階段はしごの使用、トラックの荷台昇降の場合は、昇降ステッパーの使用などを例示。人力運搬に関しては、パワーアシストスーツや、充電式可搬車などの有効活用も取り上げている。

(高木 元也 著、清文社 刊、TEL:03-4332-1375、B5判、32ページ、税込242円)