注目が集まるウェルビーイング経営とは?

企業の一番の目的は、事業を通じて利益を上げることですが、最近は従業員の健康に配慮する“健康経営”への姿勢が求められるようになっています。そして、健康経営とともに重要視されているのが“ウェルビーイング経営”です。では、ウェルビーイング経営とは、どのような経営なのでしょうか。

世界保健機関憲章による健康の定義

直訳すると「健康・幸福・福祉」という意味の「ウェルビーイング=well-being」という言葉が公の場に登場し一般にも知られるようになったのは、世界保健機関(WHO)が設立された1964年のことです。

世界保健機関憲章によると「健康とは、単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、完全に満たされた状態にある」というのが健康の定義です。

つまり、WHOが定義する健康とは、肉体だけでなく、幸福を感じるなど精神的に満たされている状態も含め、健康を幅広くとらえていることがわかります。

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利益追求に突き進んだ1960年代

1960年代といえば、日本をはじめ世界中の企業が大量生産・大量消費による利益追求に突き進んでいた時代です。なかでも日本企業は、残業や休日出勤が当たり前の働き方で著しい経済成長を遂げ、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となりました。

しかし、時代は変わり、いくら長時間働いても会社の利益は上がらず、給料も上がらない状態が続いています。さらに、長時間労働による健康被害や過労死が、大きな社会問題としてクローズアップされるようになり、これまでの働き方の弊害が目立つようになってきました。

それを改善するために、働き方改革による長時間労働の是正や、従業員の健康に配慮する健康経営に注目が集まっています。そして、より重要視されているのが、肉体だけでなく精神面での健康を見据えた“ウェルビーイング経営”です。