キャッシュレス化が進む日本。買い物のたびに小銭を財布から取り出す必要が無くなり、ストレスフリーに買い物ができる点が普及した理由の一つと言えるだろう。また、キャッシュレス決済アプリによっては、買い物をするたびポイントが貯まるものもあり、日々の買い物がお得になるチャンスも多いといえる。しかし、中にはキャッシュレス決済の利用を検討しつつも、なかなか利用に踏み出せないユーザーも多いという。キャッシュレス決済の利用に関し、サービスのどの部分に不安があるのだろうか。ある調査を元に考察していこう。

キャッシュレス決済の不安要素1位は「情報漏えいと、セキュリティ」

岐阜県にある朝日大学の附属研究機関「朝日大学マーケティング研究所」は、2023年1月17日~1月20日にかけて、キャッシュレス決済を利用していない20代~50代の男女400名に対し「スマホでのキャッシュレス決済アプリの利用に関する調査(非利用層の分析編)」を実施した。その調査結果から、キャッシュレス決済の現状について詳しくみていこう。

もし個人情報を盗まれていたら…と考えると、たしかに恐怖だ(「朝日大学マーケティング研究所」調べ)

まずは、キャッシュレス決済を利用しない理由について調査を行ったところ、一番票を集めたのが「情報漏えい、セキュリティが不安だから」であった。全体の票数は31.8%、男女別にみると男性が17.9%であるのに対し、女性が42.9%と票が割れる結果となった。たしかに、キャッシュレス決済はクレジットカードの情報を入力することで利用できるものとなるため、どこかで情報が漏れる可能性もないとは言い切れないだろう。不安を抱えてしまうのも納得だ。

2番目に多い理由は「とくに必要性を感じないから」。紙幣や硬貨で支払うことに対し、とくに不満を感じていない人であれば、キャッシュレス決済は必要ないといえるため、票を集めたのではないだろうか。3番目に多い理由は「スマホの紛失が不安だから」。クレジットカードは店舗で利用する際、暗証番号を入力する必要があるが、キャッシュレス決済の多くはスマートフォンの画面にバーコードを表示するだけで買い物ができてしまう。そのため、スマートフォンを紛失したら勝手に使われる危険性は十分に考えられるだろう。携帯電話の管理を今以上に徹底する必要が出てくるといえる。

そのほかの理由は、「無駄遣い、使いすぎが心配だから」や、「キャッシュレス決済の導入方法がわからないから」などがあり、さまざまな原因からキャッシュレス決済を使用していないことが伺えた。

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利用してみたいと思う人も多数。理由は「ポイントが貯まるから」!?

利用を検討する人の回答は14.7%だった(「朝日大学マーケティング研究所」調べ)

調査では、キャッシュレス決済を今後利用したいかについても質問したところ、利用を検討する人の回答は14.7%となった。男女別に見ると男性の利用意向がとくに低く、利用したいと思う人は7.7%に対し、利用したいと思わない人は53.8%と多くの人が利用に対し消極的であることがわかった。一方で、女性の利用意欲は20.4%と高くなっており、利用したいが導入方法や操作のやり方がわからず使えていないと悩む人が多いと考えられるだろう。

いつの間にかポイントが貯まっているとうれしい気持ちになる(「朝日大学マーケティング研究所」調べ)

調査では、キャッシュレス決済の利用によるメリットについても質問したところ、一番多い回答が「ポイントが貯まる」(65.9%)となっており、女性からは73.5%とかなりの票数を集めた。現代社会だと女性の方が家族の食材や衣料品などの買い物をする機会が多い傾向にあるため、日々の買い物が少しでもお得になるチャンスがあれば、ぜひキャッシュレス決済を使ってみたい人が多いといえるだろう。

キャッシュレス決済を利用していない人たちをみると、キャッシュレス決済の仕組みに不安を抱えている層と、使いたいが導入方法がわからず断念している層にわかれていることが判明したといえる。キャッシュレス化をさらに広げるために、まずは、キャッシュレス決済の導入や利用方法についてわかりやすい説明が求められているといえるのではないだろうか。

出典元:【朝日大学マーケティング研究所 /PR TIMES

出典元:【朝日大学マーケティング研究所 (PDF)

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