「これで優勝しなけりゃ、もう永久に日本は優勝できないよ」とまで言われた今回の第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本は2009年以来14年ぶりに優勝して「野球(ベースボール)世界一」をもぎ取った。感動的な逆転勝ちを収めた準決勝のメキシコ戦(3月21日)、やはり最大のライバルであるアメリカに1点先攻されて逆転勝ちした決勝(3月22日)などマンガやアニメでもなかなかないようなストーリーを展開しての優勝だった。とにかく経済、政治などですっかり自信を失ってしまった日本に勇気を与える優勝で日本中が沸き返った。栗山英樹監督率いる侍ジャパン選手団は、帰国後優勝記念会見を3月23日にヒルトン成田で行った。その時全員が着用したスーツが大いに注目されたのだが、このスーツは一体どの企業、ブランドが制作したものなのか?アオキ?青山商事?ダンヒル、ボス?

WBC関連グッズの販売やテレビ放映権を管轄するNPBエンタープライズによれば、監督・選手・関係者らが移動の際に着用するウェア全般に関する契約は2023年5月まで「ユニクロ(UNIQLO)」と結ばれていた。今回の凱旋でサムライジャパンの監督・選手が着用していたスーツはなんと「ユニクロ(UNIQLO)」だったのである!!

「え、『ユニクロ』がスーツ?」。

「ユニクロ」は2020年1月から「ジャストサイズ」シリーズのセットアップの製造・販売を始めていた。「感動パンツ」(2017年発売)と「感動ジャケット」(2018年発売)のセットアップである。さらに2022年3月にはその進化版「ユニクロ カスタム オーダー」をスタートさせていた。今回も栗山監督(174cm・72kg)やダルビッシュ有(196cm・100kg)や大谷翔平(193cm・95kg)までのスーツに対応していたわけで、この「ユニクロ カスタム オーダー」の対応力を世界に証明したことになる。ライフウェア「ユニクロ」が次に狙うのはスーツ市場なのだ。さらに言えば、この「カスタム オーダー」はメンズだけでなくウィメンズにも対応している。これを日本の消費者は目に焼き付けたのではないだろうか。もっとも「ユニクロ」がこのことをオフィシャルにアナウンスできるのは4月1日以降のようだが、一足早くお伝えした。