カミナシは3月22日、セブンーイレブン・ジャパンの弁当・総菜製造を行うメーカーの139工場に、現場DXプラットフォーム「カミナシ」が導入されたと発表した。

<セブンイレブンが「カミナシ」導入>



同ツールは、プログラミング知識がなくても簡単に業務アプリを作れるのが特徴で、現在、iPadとiPhoneに対応。画像付きマニュアル登録で機材などのチェック基準をより分かりやすく表示したり、承認が必要なレポートを一覧表示するなど、品質管理業務に役立つ機能を幅広く備えている。2020年6月の提供開始以降、これまで300社、7000現場以上での導入実績を持つ。

具体的な導入事例としては、これまで月間120件の作業ミスが発生していた現場では月間2件まで低減、1回2時間かかるレポート作成業務を1分に短縮するなどの成果を挙げている。

<2分でわかる紹介動画>

セブンイレブンの主力製品となる日配品は、同社が提携する全国の製造メーカー63社、176工場で製造されており、鮮度の短さから提供するまでに高レベルの衛生・品質管理が求められている。その中で、これまで多くの製造メーカーでは、衛生・品質管理に関する記録には紙帳票が使われ、記録作業や保管などの業務に多くの時間を要し、業務負荷が課題となっていた。

そこで同社は、ITツール活用による品質管理状況の可視化や、現場の生産性向上を目的に「カミナシ」を推奨ツールとする指針を策定。セブンーイレブン・ジャパン、セブンイレブンの製造メーカー各社が加盟する日本デリカフーズ協同組合、カミナシの3者は2020年4月から連携を開始し、製造メーカー各社へ「カミナシ」の導入を推進することになった。

セブンイレブンの関連メーカー各社で「カミナシ」の導入が進んだ理由として、カミナシの諸岡裕人代表取締役CEOは「初めてIT推進やDXに取り組む人たちにとって『カミナシ』は最も簡単なツールではないか。皆が使うことで定着して成果を出し、使用者が増えるという好循環ができた。DXの導入などで若手の成長につながった成功事例などを定期的なウェビナー開催で共有し、各社の導入につながった」としている。

<セブンイレブンの斉藤氏>



セブンーイレブン・ジャパン QC・物流管理本部 QC部の斉藤俊二 総括マネジャー グループQCプロジェクトリーダーは「食品の衛生管理を紙で管理しているが為に、実効性がなかなか上がらないという課題がこれまであった。機械設備の始・終業点検と、機械設備の清掃チェックの2項目は、すぐに効果が表れるため最優先して行う方針を指定している」と話す。

具体的な成果としては、「カミナシ」上のスケジュール設定により、点検・記録漏れの予防が可能になった。逸脱があった場合にはアラート機能によって工場管理者にリアルタイムで通知されるようになっており、ミスや異常を迅速に把握することで工場全体の衛生管理レベルが上がっている。

さらに従業員の多国籍化が進む工場では、「カミナシ」に備わっている多言語翻訳機能を活用することで、外国人従業員も母国語で作業手順の確認や記録が可能になり、活躍の場が広がっているという。

■カミナシのホームページ
https://kaminashi.jp/

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