後1カ月もすれば、畑仕事の準備が始まる。かれこれ10年余り前、3年間「畑仕事」(土・日)と闘ったことがある。

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 『「家庭菜園」楽しきかなこの世界』を講談社から出版した同業者に誘われ、書籍の編集担当者と共に参加した。「真夏の暑さ」「真冬の寒さ」「重労働」。いまはとても無理だが、「とれたて野菜」「自ら手掛けた野菜」の味わいは格別だった。

 なんでこんな書き出しの記事を書こうと思ったのか。四季報のパラパラ読みをしていてOATアグリオ(東証プライム)という農薬と肥料の開発・製造企業を知った。主たる製品は「オンコル」シリーズの殺虫剤と「ダニサラバ」シリーズの殺ダニ剤。俄か「畑人」の頃、大事な野菜を食い殺す虫・ダニと闘った日々を思い出したからだ。

 なんで、と首を傾げるぐらいに好調な収益動向だ。2021年12月期の「31.0%営業増益、2.5円増配の22.5円配」に続き22年も、期中に2回の上方修正を経て「18.9%増収(269億6000万円)、67.1%営業増益(33億4600万円)、55.3%最終増益(22億6000万円、史上最高益)」。順調な収益動向をOATアグリは淡々と説明した。納得した。

「主力の殺虫剤・殺ダニ剤・殺菌剤が順調に推移。注力の各分野の新製品が好調に推移。海外子会社を含め海外部門の売上高比率が65%であり円安効果もプラスしている」。

 為替相場を前期、ドル円でどの程度に設定し前期入りしたかは公表していないが。が、「1-3月の円ドル相場は仲値ベースで3月末には年初に比べ93円強の円安となっていた」とする。

 OATアグリオの設立は2010年9月、上場は14年6月。そもそもは大塚化学から独立した企業だが、いまも関係は良好。大塚化学の持ち株比率は4.6%(第4位株主)に留まっている。またOATアグリオの研究開発部・工場は徳島県鳴門市にあるが建物は自社所有も、敷地は大塚化学から30年契約の借地。

 ホームページを見ていて、「俄か畑人」時の懐かしい製品に出会った。『オリオン水和剤40』。果樹(ブドウを作っていた)・野菜に使用できる殺虫剤。アブラムシやコナカイガラムシ、チョウ目害虫をやっつけてくれる代物だ。

 時価は150円台前半水準。予想PER8倍余。予想税引き後配当利回り2.4%。至25年12月期中計が掲げる「売上高:307億円、営業利益:37億円」視野に配当取り構えで腰を据えるのも一法か・・・