&foundの店舗外観イメージ(画像:JR東日本クロスステーションの発表資料より)

 JR東日本クロスステーションは26日、東京駅エキナカの商業施設「グランスタ東京」内に、ショールーミング店舗の「&found(アンドファウンド)」を期間限定オープンすると発表した。同社でエキナカ空間事業を担うデベロップメントカンパニーと、大日本印刷が協業で実施する。2022年7月にJR上野駅のエキュート上野で行った実証実験の第2弾となり、今回は食をテーマに実施する。

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 ショールーミングとは、消費者が商品購入前に実店舗に訪れて性能や価格を確認し、購入はECサイトで行う消費行動を指す。実店舗からECに売上げが流れることを逆手に取り、その場では商品を販売せず、体験や試着などができる場を提供する。

 22年7月に実施したエキュート上野の実証実験では、家電のショールーミングサービスを展開。約50点の家電を展示し、AV機器など一部は気に入ったらレンタルして持ち帰れる場を提供した。レンタルする際には、定額制のモノのシェアリングサービス「Alice.style PRIME」の登録を行い、同サービスを通じて家電を借りられる仕組みとしている。

 第2弾となるグランスタ東京内に出店する&foundでは、”Well-beingな食”がテーマ。サントリーのノンアルコール飲料や、キッコーマンの厳選醤油・ドリップタイプの飲むだしのほか、野菜の接種度合いを可視化するカゴメの「ベジチェック」の体験などを予定。また、「試食専門店メグダイ」が出店し、神戸南京町・皇蘭の「神戸牛肉まん」など3点の試食サービスの提供を予定している。

 メグダイは、HP制作やマーケティング事業を手がける会社で20年9月に設立。日本初となる試食専門店メグダイは21年12月、代官山でオープンした。

 店内では展示を希望する複数企業の試食を提供し、試食後にアンケートを回収。収集した消費者の声を展示企業に提供する。併せてQRコードで展示会社のECサイトなどに誘導する。食べてみないと好みかどうかがわからない食品を、購入前に試せる専門店として注目され、オープン後はテレビや新聞など各メディアで取り上げられている。

 &foundでも出店企業に対しマーケティング支援サービスを提供。店内のセンシングによる来店者の動線データと、画像および音声で商品に対する反応や購買行動などを収集・分析し、出店企業に提供する。

 音声や行動データの取得と潜在的な購買欲求の分析には、大日本印刷の「DNP店舗内CX解析サービス」を活用。動線データは、JR東日本情報システムと連携し3D LiDARモーションセンサーを用いて取得するという。

 グランスタ東京内への&foundの出店期間は、23年2月10日から3月3日までを予定。JR東日本クロスステーションは、&foundを駅滞在時のスキマ時間活用の1つと位置づけている。