日本動物高度医療センターでは、犬猫用 活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」も手掛ける(画像: 日本動物高度医療センターの発表資料より)

 日本動物高度医療センター(東証グロース)は、2005年に獣医師:兼重辰雄氏と日本中医師会会長:山根義久氏の「動物への高度医療(二次医療)」という思いを契機に生まれた。

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 第1号で基幹病院の:川崎病院は5階建て。11の診療室と6つの陽圧(空調・環境設備が整った)手術室が整い、100頭以上の小動物の入院施設がもうけられている。診療科目は「呼吸器科」「循環器科」「泌尿生殖器科」「消化器科」「腫瘍科」「脳神経科」「整形外科」「眼科」「放射線科」etc。

 無知ゆえに愛猫が通う動物病院で話を聞くまで、存在すら全く知らなかった。

 調べた。東京・川崎・名古屋で運営されている。農水大臣指定の民間初の、小動物臨床研修診療施設。

 設備はICU(集中治療室)、PET/CT(ガンや転移病巣を早期に検出する断層撮影装置)、MRI装置と不遜ながら人間用の街の総合病院も顔負け。停電時に備え、非常用ディーゼル高圧発電装置も備えられている。見てきたように記せば日本動物高度医療センターには、常勤・非常勤合わせ100名近い獣医師と200名近いスタッフが診療に当たっている。

 ブラリと外来で、というわけにはいかない。かかりつけの動物病院からの、且つ連携動物病院からの予約が大前提。提携動物病院数は昨年12月で、4152。

 同社のHPを覗いたら、『輸血のお願い』という項目に出会った。噛み砕いて説明してもらった。「私どもは二次診療施設。輸血が必要となる重症な動物が数多く来院する。だが日本では未だ動物医療で利用が可能な血液バンクは確立されていない。輸血可能な血液を安定確保できない・・・所定の輸血プログラムの趣旨を理解いただき協力をお願いしている・・・」。

 プログラムには例えば献血動物(ドナー)の条件として、「犬」の場合はこう定めている。

 「年齢:1歳以上8歳未満」「体重:15㎏以上」「狂犬病予防接種・混合ワクチン接種及びフィラリア予防が毎年行われている健康な犬」「麻酔をかけずに採決が可能な温厚な性格」。その上で「過去に輸血を受けた」「妊娠・出産した」「全身性の重度感染症皮膚疾患がある」「バベシア症、犬ブルセラ症など血液媒介性感染症を罹患した(疑いがある)」「秋田犬及びその交雑種」犬は「×」。

 治療費はどんな水準か。どこにも参考になるデータは無かった。PC検索で「発咳」のある犬を診察してもらった時、というケースが目についた。「(血液検査料&細胞診断=4万4360円)+(レントゲン撮影&画像診断量=9万円)+薬料3700円」-計15万4540円、とあった。

 2015年3月上場。収益の伸びは確認できる。だがまずは配当開始待ちか・・・