「JINS GO」1号車(画像: ジンズの発表資料より)

 ジンズ(東京都千代田区)は26日、メガネの移動販売車「JINS GO」1号車の稼働を関東で開始した。視力測定補助や商品購入まで提供する。店舗が近隣に無いエリアや、来店が難しい消費者のところへ訪問する。稼働日初日の26日は、群馬県前橋市の高齢者向け施設に訪問した。

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 全長6.99m、幅2.08メートルのマイクロバス型の車両に約200本のメガネを陳列。視力測定器やレンズ加工機を搭載し、その日の内に来店客に商品を提供できる。メガネの試着ができ、スタッフが来店客の顔型にあわせて商品提案も行う。メガネの調整やメンテナンスも含め、JINSの基本サービスを全て網羅した。

 木材を多用した温かみのあるデザインで、来店客が座って休めるベンチも用意した。車いす昇降機付きで、来店が困難な人も利用しやすい。

 JINS GOを利用したい団体や施設、自治体は公式サイトのフォームから申し込む。担当者と電話で話し、日程や車両駐車位置などが決まれば訪問する。訪問自体の料金は無料だ。

 1号車の想定活動エリアは関東で、近隣にメガネ販売店が無い地域や社会福祉施設、商業施設の駐車場、イベントなどへの訪問を予定している。今後は車両を増やし、訪問地域拡大も検討している。車両は有事の際には被災地支援にも活用できるという。

 ジンズは社内に「地域共生事業部」を新設し、店舗を起点に地域との共生に力を注いでいる。2021年には、地域コミュニティのハブを目指して「JINS PARK前橋」を群馬県前橋市に開設した。だが、病気や高齢などの理由で来店できない人にサービスが届けられていないという課題があったため、移動販売車を開発した。

 なお、ジンズは全国に473店の実店舗を展開(2022年12月時点)。レンズ代込みで5500円からメガネを販売しており、店舗には常時1200種類を展示している。