■I.米国株式市場

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●1.NYダウの推移

 1)1/23、NYダウ+254ドル高、33,629ドル(日経新聞より抜粋
  ・米連邦準備制度理事会(FRB)が近く利上げ停止を検討するとの観測が強まり、株買いを誘い、昨年売られたハイテク株などに見直し買いが入り、NYダウは一時+400ドル超上昇。今週はハイテク大手を含む主要企業の決算が相次ぐため、内容を見極めたいとの雰囲気から買いの勢いが鈍った。
  ・ウォール・ストリート・ジャーナル紙は1/22、FRBが1/31~2/1に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で「今春に利上げを停止するために労働需要や支出、インフレの鈍化がどの程度必要かを検討し始める可能性がある」と伝えた前週末にウォーラーFRB理事が次回会合で利上げ幅を0.25%に縮小する考えを示した。FRBの利上げが最終局面に入ったとの見方が強まった。
  ・「昨年の下げで値ごろ感が高まったハイテク株の買いにつながった」という。利上げ停止で金利上昇に歯止めがかかれば高PER(株価収益率)のハイテク株の割高感が薄れるとの期待感も買いを誘った。
  ・物言う株主による株取得が報じられた顧客情報管理のセールスフォースが上昇。半導体株全般の上昇を受け、インテルも高い。スマホのアップルも買われた。
  ・ハイテク株が多いナスダック総合指数は続伸、前週末比+223高(+2%高)の11,364と、12月上旬以来の高値で終えた。電気自動車のテスラが大幅上昇、アナリストが投資判断を引上げたAMDやエヌビディアなど半導体株の買いも目立った。

【前回は】相場展望1月23日号 株式相場は「決算発表イベント」へ移行 「見失ってはいけない現実/日本・中国・米国」

 2)1/24、NYダウ+104ドル高、33,733ドル(日経新聞より抜粋
  ・米景気の減速懸念の後退を受けた買いが続いた。ただ、ハイテク大手の決算発表を前に利益を確定する目的の売りも出て、相場の上値は重かった。
  ・米連邦準備制度理事会(FRB)が近く利上げ停止を検討するとの思惑などから、前日までハイテク株が買われていた。1/24は建機のキャタピラー・機械のハネウェルなど景気敏感株が買われ相場を支えた。
  ・朝方、10~12月期決算発表で売上が市場予想を上回った保険のトラベラーズも上昇。
  ・もっとも、前日までの続伸でNYダウは+580ドル余り上げ、利益確定売りに押される場面もあった。このところ買われたインテルなど半導体株の一角が下落。決算で1株利益が市場予想を下回った工業製品・事務用品のスリーエムは大きく下落。
  ・1/24は引け後にソフトウェアのマイクロソフト、1/25は電気自動車のテスラが決算発表をする。相場を見極める上で、ハイテク大手の決算を確認したいとして、積極的な取引が見送られる場面があった。
  ・ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は3営業日ぶりに小反落した。
  ・ネット検索のアルファベットが下落した。米司法省が1/24、ネット広告事業が反トラスト法(独占禁止法)に抵触しているとして傘下のグーグルを提訴したのが響いた。
  ・一方、スマホのアップルは上昇した。

 3)1/25、NYダウ+9ドル高、33,743ドル(日経新聞より抜粋
  ・前日夕にマイクロソフトが発表した決算が嫌気され、ハイテク株の一部に売りが出て、一時▲460ドルほど下げた。
  ・マイクロソフトの1~3月期の売上高見通しが市場予想に届かなかった。景気減速による収益への影響が改めて意識され、売りが膨らんだ。1/25に決算を発表したボーイングの1株損益が市場予想に反して赤字だったことも、投資家心理の重荷となった。
  ・一方、売り一巡後は、マイクロソフトの決算発表を終え、材料出尽くしとの見方から、主力銘柄の一部に押し目買いが入り、指数を押し上げた。ボーイングも上昇した。
  ・米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが鈍化するとの見方が、引続き相場を支えている。
  ・ドル高が一服したことも、企業業績には追い風になるとの見方も出ていた。
  ・映画娯楽のディズニー・外食のマクドナルド・クレジットカードのアメリカンエキスプレスが上昇。一方、保険のトラベラーズ・バイオ製薬のアムジェン・石油のシェブロンが下落した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続落した。