前回、前々回と「Zero Conditional」、「First Conditional」、「Second Conditional」と見てきたが、これらはすべて未来のことを表す。一方、今回説明する「Third Conditional」は、過去がテーマだ。ただし、起こらなかった過去について述べているのが大きな特徴である。

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■Third Conditionalの構造と意味

 これまで紹介したConditionalはすべて、「if」のパートで条件を示し、後のパートでその条件のときに起こる結果を示すという構造だった。Third Conditionalも同じ構造を取るのだが、各パートの動詞の時制に注意したい。

 「if」のパートでは、主語を受ける述語の時制は過去完了形となる。文法用語を使うとわかりにくくなるので、「if I had taken」、「if you had eaten」、「if he had gone」といった形になるとだけ覚えよう。それを受けるパートでは、動詞が「would have+過去分詞」の形になる。「would have been」や「would have taken」という形だ。

 ではどんなときにThird Conditionalを使うのかだが、過去について、しかも、実際には起こらなかった過去について述べるときだ。たとえば、次の例文を見てみよう。

 ・If you had eaten that salad, you would have been sick.

 「あのサラダを食べていたら、君は気分が悪くなっていただろう(病気になっていただろう)」ということだが、実際にはyouはそのサラダを食べていないし、だから、病気にもなっていない。つまり、「you would have been sick」のパートは、「仮に食べたとしたら」と仮定して、その後に起こっただろうことを想像で述べているのである。

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■Third Conditionalの例

 ・If I woken up earlier, I would not have missed the train.
 ・If she had not studied English at university, she would not have become an English teacher.
 ・If he had not broken his leg, he would have run faster.

 上記の例文は、すべて「if」のパートが現実には起こらなかったことである。最初の例では、実際には寝坊したことを意味する。だからもし寝坊しなかったら、つまり、もっと早く起きていれば、「列車に乗り遅れることもなかっただろう」と事実に反することを想像しているのだ。

 後の2つは「if」以下が否定形になっているが、つまり、実際には行っていることを行っていなかったらと仮定しているのだ。「もし彼女が大学で英語を勉強していなかったら」、「もし彼が足を折っていなかったら」と、現実には彼女は英語を勉強したし、彼も足を折ったにもかかわらず、事実とは異なることを仮定。後半で、「彼女は英語の先生になっていなかっただろう」、「彼はもっと早く走っていただろう」と想像を述べているのである。