グーグルもついに人員削減!残るアップルのリストラはいつか?

アメリカ経済が完全な不景気モードに突入しているのは既報(1月21日「これだけリストラが続いても暴落しないアメリカ株式市場の不思議」)したが、ついにビッグテック(GAFA:グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の1社であるグーグルを展開するアルファベット社も1月20日に全従業員の6%に相当する1万2000人の人員削減を行うと発表した。アメリカを中心に全世界の従業員を対象にした人員削減で、割増退職金を支給するなどの支援を実施する。「新型コロナウイルス感染症拡大により増大したデジタル需要の反動と世界的な景気後退基調が今回の人員削減の原因」とグーグル社は説明。

昨年10月25日に発表になったグーグルを擁するアルファベット社の2022年第3四半期(7~9月)決算は:
・売上高:690億9200万ドル(約8兆9819億円、1ドル=130円換算)で前年比+6%
・営業利益:171億3500万ドル(約2兆2275億円)で前年比-19%
・当期純利益:139億1000万ドル(約1兆8083億円)で前年比-27%

売上高は微増しているが、注目されるのはYouTube広告が2%減の70億7100万ドル(約9192億円)と失速(前年の第3四半期は+43%)していることだ。景気後退懸念から企業が広告宣伝費を抑制していることに加えてTikTokとの競合の影響もありそうだ。すでに第3四半期の時点でアナリストの予想をすべての項目で下回っており、第4四半期(10~12月)及び通期ではさらに業績は厳しさを増すと推測される。

これでビッグテック4社GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック=新社名メタ、アマゾン)のうちアップルを除く3社が大規模なリストラを発表している。これに最近大規模なリストラを発表したばかりのマイクロソフトを加えたGAFMAの5社でもアップルだけがまだリストラ策を発表していないという状況になった。その発表も時間の問題ではないだろうか。

大手金融会社のJ.P.モルガンによれば、リーマン・ショックのあった2008年には、デジタル広告がアメリカの広告費全体に占める比率は12%程度だったが、2021年にその比率は実に67%に達している。グーグル、フェイスブックなどの巨大プラットフォームを持つ企業がこれ以上成長するには、そろそろ限界が見えてきているという見解も出始めている。もちろんすでにデジタル広告は無視するにはあまりにも巨大化しているというのも事実だが。