サービスや製品のスタートアップ成功に欠かせない新しい指標『PMF』とは?


どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、それが消費者やマーケットに受け入れられていなければ、たとえ一時的に売り上げが伸びたとしても、持続して成長することはできません。そこで注目を集めているのがPMF(プロダクトマーケットフィット) という考え方です。

「Product=製品・Market=市場・Fit=合致」の持つ意味は?

PMFとは「Product Market Fit」の頭文字から取ったもので、アメリカのソフトウェア開発者で投資家でもあるマーク・アンドリーセン氏が提唱した、ビジネスの成功につながる考え方です。

Productは製品、Marketは市場、Fitは合致という意味ですから、この3語をつなぐと「製品・サービスが消費者にも市場にも受け入れられている状態」ということになります。つまり、ビジネスの成功には、消費者を満足させる製品・サービスの開発と、それが市場でも高い評価を受けていることが重要、という考え方です。

どちらかが欠けた状態で販売強化のために資金を投入しても、資金を無駄に溶かすことになりかねません。とくに資金も人材も十分とはいえないスタートアップでは、それが原因でビジネスが行き詰ってしまうことも考えられます。

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「Product/Market Fit Survey」と「Net Promoter Score」

スタートアップの成否を左右する要素として、多くの起業家たちが、PMFという考え方を重要視するようになっています。では、スタートアップの製品・サービスが、消費者や市場に受け入れられているのかを判断する目安はあるのでしょうか。

一つは起業家のショーン・エリス氏が考案した調査「Product/Market Fit Survey」で、その製品・サービスが使えなくなったら「どう思うか」という質問で、PMFの状態を定量的に把握することが目的の調査です。

もう一つは、NPS(Net Promoter Score=ネットプロモータースコア)で、消費者のロイヤリティ(愛着)を計測する指数です。

こちらは、その企業および製品を友人や同僚に薦める可能性が、「どの程度あるか」という質問に11段階で回答してもらい、推奨する回答から批判する回答の割合を差し引いた数値がNPSのスコアとなります。