「SDGsに関わって働ける?」
「意義・やりがいを感じる仕事がしたい!」

就職先を選ぶとき、仕事の意義ややりがいを意識して選ぶ人も多いでしょう。近年メディアで取り上げられるSDGsは、今後ますます注目されるトピックです。「持続可能な社会の実現」を意味するSDGs。引き続き目標を設定しながら、課題解決に向けた取り組みの継続が求められます。社会貢献という意義のもと、やりがいを感じられる仕事という観点から、SDGsに関わる仕事はおすすめです。

今回はSDGsに関わる職種やその内容をご紹介します。

SDGsに関わる仕事内容は?

SDGsとは「Sustinable Development Goals」の略称です。2015年に「持続可能な開発目標」として国際連合が定めました。貧困や気候変動、環境、エネルギー問題など、世界的な課題に対応し「持続可能な世界」を実現するため、17の目標が設定されています。

SDGsに関わる事業3選

SDGsは17の目標によって構成されています。目標における分野は幅広く、それらに関わる仕事はSDGsに通じるといえるでしょう。SDGsに関わる仕事をご紹介します。

1. リユース・再生可能エネルギー事業

SDGsには「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や「気候変動に具体的な対策を」といった目標が掲げられています。これらにアプローチするのはリユースや再生可能エネルギーなど、環境に関わる事業です。たとえばリサイクルショップや古着店、古書店、買取店、質屋などはリユース業の代表的な業態です。また再生可能エネルギー業といえば電力会社やエネルギー企業が直結します。総合建設業者や発電設備・発電機の建設に必要な部品を作る企業も再生可能エネルギー業に必要な仕事です。さらに総合商社は再生可能エネルギー業界においても有力。海外の石油・天然ガス資源の開発や発電にかかる日本製品の輸出、現地での建設など世界各地で発電事業と深い関わりをもっています。世界規模での再生可能エネルギー事業に参画できるでしょう。

リユース・再生可能エネルギー事業は地球のエネルギー問題や気候変動に関わっています。身近なリサイクルショップから、世界規模のエネルギー事業までさまざまな関わり方ができるでしょう。

2. 一次産業や食品事業

「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」などの目標を抱えるSDGs。食糧問題に直結するなら酪農・農家・食品系の事業がおすすめです。一次産業においては食料を生産して出荷するばかりではなく、環境問題にも向き合わなければいけません。仕事をするうえで豊かな自然環境は必要不可欠。資源や環境整備の問題に直面するとき、SDGsの「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさも守ろう」は関わりの深い項目といえるでしょう。さらに食品系事業は製造・加工から卸売まで幅広く、世界の食糧問題にもアプローチできます。食品ロスの削減や食料の再分配などは近年注目されるテーマです。

一次産業や食品事業は環境問題や世界的な食糧問題に関わる仕事といえます。仕事を取り巻く環境をはじめ、できることからコツコツと取り組むことで世界的な課題の解決に関われるでしょう。

3. インフラ・プラントエンジニアリング事業

SDGsには「安全な水とトイレを世界中に」、「産業と技術革新の基盤を作ろう」という目標もあります。世界をみると技術的な差が大きく、インフラ整備や産業の基盤形成が求められる国・業界が多いです。そこで高い技術力を国や業界の壁を越えて整備・伝達するのがインフラ・プラントエンジニアリング事業です。インフラ整備の企画・現場作業や工場のシステム設計、開発、機械のメンテナンス作業などを行います。科学によって人の暮らしを豊かにする仕事といえるでしょう。

人々の暮らしを豊かにするインフラ・プラントエンジニアリング事業。モノを作る技術はもちろん、モノとモノを組み合わせて、いかに最高の機能を発揮させるかを追求する知識や技術が求められます。

SDGsに関わる仕事の見つけ方

SDGsには17の目標項目から、さまざまな分野で関われます。就職や転職においては、多岐にわたるSDGsの仕事から自身の関心ややりたいことにあわせた分野・職業で働くことが大切です。SDGsに関わる仕事を見つける方法をご紹介します。

仕事でSDGsに関わる方法

さまざまな分野で関わりをもつSDGs。そのなかでもSDGsに深く関わる仕事につくなら、SDGsに直結する事業をメインに手掛けている企業に就職・転職するとよいでしょう。企業のなかにはさまざまな部署や役職があります。主としてSDGsに関わる事業を行う企業に就職・転職すれば、どのような部署・役職でもSDGsに関わっている実感をもって働けるでしょう。公的機関やNGO・NPO法人などSDGsを推進する組織も選択肢のひとつです。さらに環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視するESG投資やSDGsのコンサルティングを行う企業もSDGsに深く関わる仕事といえます。

SDGsに関わる仕事の経験や資格があるなら、SDGsを推進する部署・職種で働くのも一手です。経験や資格があれば希望する部署に配属される可能性も高くなります。またSDGsを次世代につないでいくなら教育機関で働くのも選択肢のひとつです。専門知識をもって普及・啓発に取り組むのもSDGsを推進する取り組みといえます。

関心が高いSDGs目標から業界を絞る

SDGsに関わって働くためには、関心の高いSDGs目標を意識するとよいでしょう。社会課題の解決に興味があっても、何をしたらよいかわからないと、就職・転職活動で迷いが生じます。SDGsには以下の目標17項目があるので、確認してください。

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • 上記から興味をひかれたSDGsの目標項目をあげてみるとよいでしょう。たとえばエネルギー問題とジェンダー課題は同じSDGs目標のなかで関連はあっても、仕事に直結させるとなると双方とも同じだけ関わって働くのは難しいかもしれません。一方、エネルギー問題と環境対策は切っても切れない関係です。共通する業界として再生可能エネルギー事業などを視野に入れて就職活動をすると、満足度の高い結果が得られるかもしれません。興味にしたがって企業を選定することで、就職後のミスマッチを防げます。

    SDGsに関わる仕事に挑戦する

    実際にSDGsに関わる仕事の求人へ応募するなら、求人サイトで「SDGs」と検索してヒットする職種に応募するとよいでしょう。世界的なSDGsへの関心の高まりとともに、企業もSDGsを念頭に事業を展開しています。またSDGsをメイン事業にすえて取り組む企業もあるので、インターネットやSNSで検索してみるのもおすすめです。さらにSDGs需要の高まりから、SDGsコンサルタントという職種もあります。経験と知識が必要なコンサルタント職ですが、企業で経験を積んだり資格を有したりしている人は挑戦するのも一手です。

    SDGsは暮らしのさまざまなシーンで関わる、幅広い取り組みです。よってSDGsに関連した仕事もさまざまあります。就職や転職にあたっては、SDGsの仕事に対する興味や取り組みたいことを明確にすることで、よりイメージに近いライフキャリアが築けるでしょう。まずはどのような分野でSDGsに関わりたいのか、どのような働き方をしたいのかをしっかりと考えることが大切です。

    SDGsと健康経営

    健康経営の取り組みもSDGsの一環です。健康経営とSDGsの関わりについてご紹介します。

    健康経営とは

    従業員が健康に生き生きと働くことで、経営面で大きな成果を期待する健康経営。従業員の健康を身体的・精神的側面から支えます。具体的には健康診断や健康相談の定期的な実施、ストレスチェックの導入などによって身体的健康をサポート。またワーク・ライフ・バランスに配慮した働き方改革やスキルアップ研修を行って仕事に対するモチベーションアップを図るなど、精神的な健康への働きかけもあります。健康経営に関わる取り組み方はさまざまです。

    経済産業省では2015年から健康経営銘柄制度を設けて、健康経営に優れた企業を選定する制度を導入しました。国も健康経営を推進しています。

    SDGsに通じる健康経営

    日本ではSDGsのモデル確立に向けた取り組みとして、8分野の優先課題をあげています。以下の8つが優先的に取り組む分野です。

  • あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  • 健康長寿の達成
  • 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  • 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
  • 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  • 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
  • 平和と安全・安心社会の実現
  • SDGs実施推進の体制と手段
  • 上記はSDGsの目標17項目と169のターゲットのうち、日本が特に注力すべきとして掲げた取り組みです。これらに基づいて推進される取り組みのひとつに健康経営があります。SDGsの目標17項目のうち「すべての人に健康と福祉を」、「ジェンダー平等を実現しよう」、「働きがいも経済成長も」といった目標は健康経営が目指す仕事と暮らしのあり方に直結します。健康経営の実現によってSDGsの達成も期待されているといえるでしょう。

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    SDGsに関わる仕事やその内容をご紹介しました。SDGsに関わる仕事は多岐にわたります。それはSDGsの目指す「持続可能な社会の実現」には終わりがなく、常に目標を設定し世界規模で課題解決に向けた取り組みが求められるためです。SDGsに関わる仕事の需要は今後も増えていくでしょう。SDGsに関わって仕事をするためには、自身の興味や理想の働き方を明確にすることが大切です。就職や転職を考えてSDGsと向き合う場合、SDGsについての理解を深め「どうしてSDGsに関わりたいのか」、「どのような仕事をしたいか」を考えましょう。ぜひ本記事を参考に、SDGs関連の仕事への就職・転職を検討してキャリアの可能性を広げてみてください。