住生は健康状態を可視化、AIが変える保険商品の未来図

住友生命保険は、健康増進型保険「バイタリティー」の加入者向けに千点満点で健康状態を示す健康レポートの提供を始めた。年齢や性別、提出された健康診断の結果を基に、人工知能(AI)が入院リスクを算出し、「健康スコア」として表示する。具体的な数字で見える化することで加入者が健康状態をより客観視でき、運動などの行動変容につなげるのが狙いだ。今後は運動の成果がスコアに反映されるよう改良版も視野に入れている。

健康増進型保険は、歩いたりフィットネスジムで運動したりすると、専用のアプリケーションを通じてポイントがもらえる保険商品。2018年の発売後、加入者が増え続け、22年3月までに累計で100万件の契約を突破。「一定の健康データが集まってきた」(藤澤陽介AIオフィサー)ことから、今春、アプリの機能を充実させた。

それが健康レポートの提供だ。健診結果から体格指数(BMI)、血圧、血糖、LDLコレステロール、尿蛋白を把握し、各項目の3年以内入院リスクを評価。千点満点で表示する。例えば「健康スコア889点」と表示し、点数が高いほど健康状態は良い。同性・同年代と比べた「健康ランク」も5段階で示し、他者と比べて自分はどのぐらいの健康レベルなのかも把握可能だ。

健診状態から3年以内の入院リスクを評価し、千点満点で表示する健康スコア

開発にあたっては、統計会社の健診結果の医療ビッグデータも活用し、独自のアルゴリズムを構築した。BMIを例に取ると、数値が高過ぎても、低過ぎても健康状態は良くない。「U字型」にリスクが高まり、右肩上がりなど単純な直線の指数よりも「アルゴリズムの開発に苦労した」(藤澤AIオフィサー)と打ち明ける。

目下、健康スコアのバージョンアップを急ぐ。現状は年に1度の健診結果をスコア化しており、もう少し短いスパンで数値が変わるよう調整する。

健康増進型保険の売りである運動するとポイントがもらえるように、運動の成果を健康スコアにも反映する方向だ。数値が改善することで、運動の一層のモチベーションアップを狙う。加えて、がんや糖尿病など疾病リスクの予測サービスも計画。早ければ22年度内にアプリに実装する見通しだ。

保険は従来、病気やケガなどリスクに備えることが大きな目的だった。それが最近はいかに健康状態を保つかといったリスクを減らす手助けも行うようになってきた。

健康レポート機能をさらに充実させ、加入者一人ひとりの健康に寄り添う保険会社を目指す。(大城麻木乃)