3速コラムシフトでローがノンシンクロの1963年式クラウン ©sawahajime

 東京では放映されていないTV番組「そこまで言って委員会」で、明治天皇の玄孫である竹田恒泰(たけだ つねやす)氏が面白い見解を述べていた。曰く「高齢者はマニュアルミッション車に限定するべき」と。成程この意見には一理あると思わせられた。

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●昔の運転免許

 筆者が免許を取得した1965年には、「AT(オートマチック)限定免許」なんてものは存在せず、MT(マニュアルミッション)のみだった。

 その教習所の教習車両は「クラウン」の3速コラムシフト車だったが、今でも思い出させられるのが、「ローギアがノンシンクロ」の教習車が混じっていたことだ。

 クラウンが「フルシンクロ」になったのが、1964年以降で、1963年式のローがノンシンクロの教習車が数台残っていた。

 『死語になった自動車用語「シンクロメッシュ」』(2019年11月21日付)でも述べたが、63年式のクラウンは、バックアップランプが月の様な形状で、丸いテールランプに接して取り付けられていたので、この車に当たると特に神経を使った。

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●2ペダル オートマチック

 その頃のオートマチックは「トヨグライド」の2速が代表格。

 自動車技術会の「日本の自動車技術330選」によれば、『オートマチック時代の到来を予測して開発した日本初のトルクコンバータ付きオートマチックトランスミッション。プラネタリギヤによる変速機構、変速を制御する油圧制御機構で構成されている。通常は2速ギヤで走行し、道路条件に応じて手動で1速にシフトする』とある。(©Society of Automotive Engineers of Japan, Inc.)

 免許取得直後、ライセンスを取得する為にJAF(日本自動車連盟)に加入した程の自動車好きにとっては、そんなAT車に乗ろうとは、全く思わなかった。