KGモーターズが発表した新型モビリティ(画像:KGモーターズの発表資料より)

 KGモーターズは21日、開発中の小型EV「ミニマムモビリティ-コンセプト」のティザー写真を公式サイトで公開し、YouTubeでその概要を発表した。

【こちらも】軽自動車から超小型モビリティへ 次世代モビリティ、30年に10万台市場に

 現在、ガソリン車からEVへの置き換えが進んでいるが、ユーザーが求めるのは航続距離の長さだ。だが航続距離を伸ばすと大きなバッテリーを積む必要があり、KGモーターズでは、これがエコに繋がるのか疑問を投げかけている。

 実際に大きなバッテリーを作るにはかなり多くのCO2を排出する。廃棄するときは勿論、利用するときも国内は火力発電がメインのため、本当にECOと言えるまでに時間がかかる。また大型バッテリーを積んだEV車が多くなれば、充電待ち時間の問題も出てくるだろう。実際にEV先進国の中国では、待ち時間が何時間にもなっていると言う話もある。

 そこでKGモーターズは、違う視点からEVについて提案している。国内自動車ユーザーの7割は、日常利用で走行距離が10km以下であり、同じく約7割は、1人移動がメインという国土交通省の利用実態調査に着目。長距離移動する必要が無いクルマも需要があると考え、プロジェクトを開始したと言う。

 今回、シルエットのみの発表となっているが、非常に特徴的なのが前後同じデザインということだ。クルマは左右対称のデザインがほとんどだが、このシルエットのように前後対称となるクルマはほとんど無いと言ってよいだろう。

 クルマは、様々な場所に金型が必要になるが、前後対称にすることで金型の費用を半分に圧縮。こういった費用削減により、KGモーターズは、価格設定も利用しやすいものを目指していると言う。

 クルマの概要も内装は発表されないが、ある程度公表された。それによると、1人乗りではあるものの、空調設備も備えて快適な移動ができると言う。

 1人乗りに割り切った設計のため、全長は2,450mm、全幅1,090mmとかなり小型だ。定格出力0.59kwのモーターを搭載し、航続距離は100kmと言う。充電は家庭用コンセントで約5時間と、毎日の通勤に利用して夜に充電すると言った使い方には問題なさそうだ。