副業所得における所得税の計算方法

副業で得た所得がある場合には、最終的に本業の給与所得を含めた合計所得に課税(総合課税)されます。

総合課税では、課税所得金額に応じて5%〜45%の税率で税が課されます。なお令和19年12月31日までの期間は、所得税とは別に、その年分の基準所得税額に2.1%を掛けた額の復興特別所得税も課されます。

所得金額と所得税額の計算方法所得税額は、決められた計算式と手順で求めることができます。ぜひ参考にしてください。

ステップ1. 所得金額を計算する

所得金額とは「収入から経費を差し引いた利益」のことを指します。

そのため、副業がアルバイトなどの給料制の場合は経費がないため、給料から一定の給与所得控除を差し引いて所得税を計算します。

なお副業で得た所得については、単独で課税するのではなく、本業の給与所得などと合算した「課税所得」から税額を計算します。

ステップ2. 課税所得金額を計算する

所得税には、それぞれの個人の生活状況などを鑑み、できるだけ公平な課税をするために「所得控除」が設けられています。

所得控除には、配偶者控除や扶養控除、住宅ローン控除、生命保険料控除、地震保険料控除などさまざまな種類があります。

先ほどのステップ1で計算した所得の合計金額から、自分が受けられる所得控除を差し引いた残金が「課税所得金額」です。

ステップ3. 所得税額を計算する

課税所得金額に、自分の所得に応じた所得税率を掛けることで、所得額が計算できます。

そして計算した納税額から、本業などの給料からあらかじめ天引きされている源泉徴収税額を差し引いて、納税額が算出されます。

日本の所得税は「累進課税制度」が取られており、所得金額が増えるほど税率が高くなります。ただし「年収が1,000万円を超えると約3割が税金で持っていかれる!」といった、世間でよく勘違いされているようなことはありません。

累進課税による各所得にかかる税額は、以下の速算表で計算できます。

たとえば課税所得金額が1,000万円の場合の計算式は、以下のようになります。

1,000万円 × 33% – 153万6,000円 = 167万4,000円

仮に本業の給料から源泉徴収されている所得税が100万円の場合には、差額の67万4,000円を追加で納付することになります。

また上記のような住宅ローン控除や生命保険控除などがある場合には、計算した所得税額から控除額を差し引くことで、正確な金額を計算できるでしょう。

課税所得の金額 税率 控除額
1000円から194万9000円まで 5% 0円
195万円から329万9000円まで 10% 9万7500円
330万円から694万9000円まで 20% 42万7500円
695万円から899万9000円まで 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円まで 33% 153万6000円
1800万円から3999万9000円まで 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

参考:国税庁HP|No.2260 所得税の税率より

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確定申告すると会社に副業がバレるって本当?

確定申告をすることで、いまお勤めの会社に副業がバレると考える方も多いことでしょう。

実際に、副業が給料制の場合には、バレてしまう確率が高まります。

しかし副業収入が雑所得や事業収入などの場合には、確定申告のときに、確定申告書の第二表「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の箇所に「自分で納付」のチェックをしておけば、原則として会社に副業がバレることはないでしょう。したがって、適切に確定申告することで、むしろ副業バレのリスクをおさえられます。

ただし副業を禁じている企業にお勤めの場合は、会社が副業を禁止する理由があるはずです。もし違反がバレた場合には、自己責任で賠償を負う、もしくは退職金を貰えなくなるといったペナルティを受けるケースも否定できません。

会社が副業を禁じている場合には、素直に従った方がよいでしょう。

副業は確定申告しないと会社にバレる? ポイントは「住民税」にあり【税理士監修】

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