人と関わる仕事とは

人と関わる仕事とは、お客様をもてなしたり対応したりする「接客」を伴う業務を担う仕事をいいます。相手に有意義な時間をすごしてもらうため、日々の工夫や努力が必要です。

接客の相手としては法人や個人があり、法人の場合は一つの案件で複数の人と関わることが多くなるでしょう。一方で個人のお客様の場合は法人と比べると一人ひとりに寄り添うという性質が強くなるといえます。

いずれにおいても、相手の反応をダイレクトに知れることが最大の特徴です。相手の喜ぶ様子や笑顔を直接見られるため、満足度が高い仕事です。

今日、人間関係が希薄化しているともいわれていますが、自己成長のためには人との関わりは欠かせません。人と関わる仕事をすることで、コミュニケーション能力が身についたりものの見方や考え方が広がったりするため、人として成熟できることが期待できます。

人と関わる仕事ができるおすすめの職種10選

人と関わる仕事というと、小売業やホテル・旅行業会などの業種(事業の種類)を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。しかし、業種を絞らず、仕事の内容で職場を選びたいという人もいるでしょう。そこでここでは、人と関わる仕事ができるおすすめの職種(仕事の内容)をご紹介します。

①営業職

営業職は、自社の製品やサービスを販売することが主な仕事内容で、頑張った分だけ収入が見込めるため高収入も夢ではありません。収入をアップさせたい人におすすめです。

相手が何を欲しいのか、どんなことをして欲しいのかが分からなければ購入してもらえないため、必然的に対人スキルが求められます。学歴よりも結果がすべての職種でもあり、歩合制のケースも多くあります。

②講師(インストラクター)職

講師(インストラクター)職であれば、自分の特技や専門的な知識を活かすことができます。専門的なスキルがある人におすすめです。

質問や相談を受けながら、人の成長に関わることでやりがいを感じられます。学校の教師と違って資格や免許が不要な場合もあり、スキルさえあれば始めやすい仕事です。働く場所は、学習塾、語学学校、学童保育、スポーツクラブ、スイミングスクール、ヨガスタジオ、絵画教室、書道教室などが考えられ、活躍の場が豊富にあることも魅力です。

③コール職

コール職は未経験でもOKでシフト勤務であることも多く、働きながら家事育児を行う女性に人気の職種です。

対面ではありませんが、電話を通してお客様とコミュニケーションをとる仕事です。業務内容は商品・サービスの利用方法や相談、サービスの申し込み、受付などの各種対応をおこないます。ときにはお客様のニーズに合うものの提案が求められることもあり、購買意欲を高めるための大切なポジションとして活躍できます。

④受付や広報職

受付や広報職は企業の顔といえます。華やかさのある仕事という印象があり、人前に出て自社をPRすることが得意な人にはおすすめです。

受付職は英語力を求められる職場もあり、その場合は語学力を活かして活躍することもできます。広報職は、報道担当業務が知られています。雑誌やテレビなどのメディア取材に応じたり、テレビCMや自社ホームページなどを用いて企業をPRして世間に認知させていく業務を担います。社内報の発行など内部に向けた広報活動もおこなうことがあり、社内外の人と関わることが多い職種です。

⑤人事職

人事職は組織の人材管理に関する業務を担うため、組織や人の成長に関わることができます。

採用や社内人事の配属先を決めたり、社員が能力を発揮するような仕組み作り、ハラスメント対策なども担当します。採用においては、企業説明会や面接などで応募者と対面する機会が多くなります。企業担当者として、応募者が一番最初に対面する相手となります。自社に対する印象やイメージを左右する重要な役割があるといえるでしょう。

⑥経営企画職

経営企画職は、社員たちと密にコミュニケーションをとりながら、企業の事業計画にも携わっていくことになります。

企業の成長戦略を立案し実行していくには、目先の問題を解決する力だけでなく長期的な視野で見通せる力が必要です。また周りを巻き込む推進力や、納得させられるだけの根拠に基づく戦略の提案なども必要になってきます。そのためにも社内でのコミュニケーションは必須です。

⑦コンサルタント職

コンサルタント職は、経営における相談を受けて支援していく仕事です。問題や課題を見つけて解決に導くことが得意な人に向いています。

クライアント側の悩みを聞いて結果を出していくことはもちろんのこと、相手が気づいていない問題の改善案を提案しなければならないなど、求められることも多いかもしれません。しかしその分、実力主義や成果主義であることも多く、結果を残せば若くてもどんどんキャリアアップしていくことが可能でしょう。

⑧販売職

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アパレルなどの販売職であれば、自分のセンスが活かされる仕事です。

取り扱っている商品を購入してもらうためには、お客様の好みを感じ取ったり会話で聞き取ったりするコミュニケーション力、よりお客様を魅力的に見せる商品を提案する目利きの力などが役立ちます。また、清潔感や礼儀作法などを身に着けることも大切です。個人的にお客様がついてくれることもあり、やりがいを感じやすいでしょう。

⑨プロジェクトマネージャー職

プロジェクトマネージャー職は、企画を進行させチームを管理して引っ張っていくことが仕事になります。先頭に立ってチームを動かしていける人が活躍できます。

クライアントから依頼を受け、企画を立ち上げて予算やスケジュールを立ててプロジェクトを遂行していくわけですが、その際、社内外の人とのやりとりは欠かせません。他部署との交渉やスケジュール調整など、スムーズな連携のためには高いコミュニケーションスキルが必要です。

⑩キャリアコンサルタント職

キャリアコンサルタント職は、求職者の仕事や悩みの相談にのり、就職についてアドバイスします。悩んでいる人をサポートしたいという人におすすめです。

人材確保したい企業と求職者をマッチングさせるため、双方の希望に応える必要があります。また就職後も企業と社員となった求職者が気持ちよく働いていくためにも、それぞれの希望や要望をしっかりと聞く力が必要です。

人と関わる仕事がおすすめの人

人と関わる仕事には様々な種類があることがわかりました。ここでは人と関わる仕事がどのような人におすすめかを解説します。

人と接するのが好き

まず、人と接するのが好きな人は人と接する仕事は天職といえます。

「笑顔」は対人関係を円滑にする重要な要素ですが、人と関わるのが好きな人であれば、仕事をすることで自然と笑顔になるはずです。笑顔は人に好印象を与えるため、販売職などであればお客様に「また会いたい」と思ってもらえるポイントにもなります。また、社内外の人からも、笑顔でいることで親しみやすさが現れコミュニケーションが取りやすくなるはずです。

気配りができる

自然に気配りができる人にも向いているでしょう。

気配りができなければ、相手のニーズに応えることはできません。人と関わる仕事は、相手の望みを察して理解する必要があります。一人ひとりの相手に気を配り、どうしてほしいかを想像して動くことで喜んでもらうことができます。また、マニュアルにはないことが突発的に起こることもあります。気配りができれば、機転が利いた行動ができることもあるでしょう。

仕事と割り切ることができている

仕事として割り切れると、ストレスが少なく働けるという可能性があります。

人と関わる仕事では、予測できないことも起こるでしょう。また気の合う相手だからといっても、売上につながる話をしなければ建設的な関係は築けません。お互いのスキルを高めあったり相手の魅力を引き出したりすることが求められます。仕事を円滑に進める上でコミュニケーションをとるというのは、友達のように接するのとも異なります。ときには仕事は仕事と割り切って進めていくことも必要です。

人と関わる仕事のメリット

それでは、人と関わる仕事にはどのような魅力があるのでしょうか。ここでは人と関わる仕事のメリットをご紹介します。

顧客の反応を直接確認できるためモチベーションが保てる

人と関わる仕事は、モチベーションが保ちやすい傾向です。

直接お客様の笑顔や喜びといった反応を見ることができ、よい反応はそのまま自分の評価となります。誰かの役に立っている感覚、頑張りがそのまま給与などに反映され、モチベーションアップにもなるでしょう。

お客様の課題を直接解決に導いたことで感謝の言葉をかけてもらうなど、人から感謝される機会が多いという特徴もあります。人から感謝されることで、仕事に対するやりがい・満足感を得られます。

対人スキルが身につきキャリアアップしやすい

人と関わる仕事は、学歴よりも成果を求める傾向が強くあります。対人スキルを高めることでキャリアアップもしやすいといえます。

人と関わることで成長することができます。マナー、ホスピタリティ、提案力、質問力、状況判断能力など、転職先でも活かせる能力が自然と身に着く可能性があります。

働く時間を調整しやすい

担当する業務内容にもよりますが、人と関わる仕事は働く時間を調整しやすいケースが多くあります。

シフト制なども少なくないため、ある程度自分で働く日時を決めることができます。また、営業職などの場合はお客様への訪問など自分でスケジュール調整をして、直行直帰ができることもあるでしょう。

人と関わる仕事のデメリット

人と関わる仕事には、メリットだけでなくデメリットもあります。これから、人と関わる仕事に就職や転職をされる場合は、以下でご紹介することも知っておきましょう。

ストレスを感じやすい

人と関わる仕事は、ストレスを感じやすい仕事でもあります。

喜びを直接感じられる反面、商品・サービスに対して満足度の高い声をかけられることがあれば、不満の声をかけられることも多いでしょう。クレームがあった場合に、怒りの干渉をぶつけられることもあります。なかには、理不尽な理由で言いがかりをつけられることもあるでしょう。

人と接することが好きでも、感受性が強く細かいことが気になる人の場合は特に、このようなことでストレスを感じてしまう可能性があります。気配りができてしまうことで、気疲れしてしまうこともあるかもしれません。

夢中になれる趣味など、気持ちを切り替えられる自分なりの手段を持っておくといいでしょう。

スケジュールの変更がある

相手の都合に合わせて動くことも多く、スケジュールの変更が重なることもあります。

自分のスケジュールやペースよりも、相手を優先しなければならないことも多くあります。また、予定のバッティングが起こらないように、そして効率的に動けるようなスケジュール管理が必要になります。

スケジュールはいつでも変更の可能性があるものと考え、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

体力がないときつい

人と関わる仕事は、体力がないときつい場合があります。

長時間の立ち仕事なども多く、営業職であれば移動があったり競合他社より迅速に動く必要があったりするなど、フットワークがものをいうこともあります。仕事内容にもよりますが、ある程度の体力は必須ともいえ、体力に自信がない人は仕事がきついと感じるかもしれません。シフト制の仕事の場合は体調を崩して休むと、他のメンバーに迷惑をかけてしまいます。

日頃から体調管理を怠らないように心がけましょう。

人と関わる仕事でキャリアアップしよう

人と関わる仕事は、自己成長できることが期待できます。ただし、それには気力や体力も必要です。

人と関わる仕事にはさまざまな業種や職種がありますが、自分を活かすには興味関心がある分野を選ぶのがおすすめです。また、健康経営をおこなう企業であれば、働き方や適正に不安がある場合に相談できる仕組みが整っていることがあります。業種や職種のほか、企業そのものの体制や仕組みについても知った上で就職・転職することをおすすめします。

就職・転職を考えている人のなかには、「人と関わる仕事がしたい」と思っている人もいるでしょう。

人は他人と関わることで自己認識することができ、自己成長のためには人と関わることが欠かせません。人と関わる仕事をすることで、人間的に成長できることが期待できます。

この記事では、人と関わる仕事ができるおすすめの職種をご紹介します。またメリットやデメリットも解説するため、これから人と関わる仕事がしていきたいという人は参考にしてみてください。