「フリーランスが経費にできるものは何?」

「経費にできるものとできないものの違いは?」

「フリーランスが経費を計上するときに、気をつけるべきポイントを知りたい!」

フリーランスは個人事業主に該当するため、業務に必要なものやサービスを購入したときの費用は経費として計上できます。また経費を計上するすると納税負担が減少するため、経費に関する知識はフリーランスには必須と言えるでしょう。

そこで本記事では、以下3点のポイントに沿いながら、フリーランスにとっての経費について解説します。

  • フリーランスが経費にできるもの
  • 経費にできるものとできないものの違い
  • 経費を計上するときに気をつけるべきポイント
伊沢成貴

税理士。都内会計事務所勤務を経て、2017年に公認会計士山内真理事務所に入所。会計税務の側面からアート・カルチャー・クリエイティブ領域の支援に従事。

業務で使用するものは経費にできる

「どこからが経費でどこまでが経費ではないのか、線引きがよく分からない……」という方も多いのではないでしょうか。

私的に使用するために購入した商品やサービスは経費として計上できません。一方で、業務で使用する商品やサービスを購入した費用は、経費として計上できます。

ここでいう業務で使用とは、社会通念や業務との関連性等を総合的に勘案して判断するものになります。

経費を計上すると所得が減ることにより納税額が減る

日本は累進課税制度を採用しているため、所得が高ければその分所得税も高く課せられます。そして所得が低いと所得税は低くなる仕組みです。

所得 = 収入 − 経費

つまり経費を計上すると所得を下げられるため、納めるべき税金額も下げられるのです。

経費は確定申告までに計算する

収入や経費は決算書や収支内訳書(以下、「決算書」とする。)に記載をします。これらの書類は、確定申告書と共に税務署に申告しなければなりません。

確定申告とは、1年間の収入と費用を集計して所得を算出し、自分が納めるべき所得税額を確定申告書に記載し、税務署に提出する手続きのことです。

確定申告の基本的な流れは以下のとおり。

<確定申告の流れ>

  • 1年間の収入と経費を「決算書」に記入し所得金額を計算する
  • 納めるべき所得税額を計算し「確定申告書」に記入
  • 税務署へ「決算書」「確定申告書」を提出する
  • 2/16~3/15までに金融機関などで納税
  • 1年間の経費を一気に整理してまとめるのは非常に時間がかかるので、定期的に帳簿をつけておきましょう。

    フリーランスの帳簿のつけ方や会計ソフトの使い方について、以下の記事で解説しているので是非ご覧ください。

    フリーランス・副業者必読! 帳簿のつけ方入門ガイド【税理士監修】

    Workship MAGAZINE

    領収書は7年間保存しておこう

    経費を計上する場合は、商品やサービスを購入した証拠として領収書やレシート(以下、「領収書」)を保管しておかなければいけません。

    確定申告をするときに領収書を税務署に提出する必要はありませんが、税務調査が入った場合には、税務職員から領収書やレシートの提示を求められることがあります。

    青色申告の場合、経費として計上した商品の領収書は7年間保存する義務があるため、きちんと保管するようにしておきましょう。

    なお白色申告の場合は5年間ですが、収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年間保存しておかなければならないため、領収書やレシートもあわせて保存しておくのが無難です。

    青色申告/白色申告について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

    【税理士監修】フリーランスが読むべき確定申告パーフェクトガイド

    Workship MAGAZINE

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    経費の項目(勘定項目)一覧

    経費を帳簿に記載するときは、「勘定科目」ごとに分けて記帳します。適切な納税を行うためにも、経費に関する勘定科目は把握しておく必要があります。

    一般的な経費の勘定科目は以下のとおりです。

    勘定科目 内容
    租税公課 事業税、固定資産税、自動車税、印紙税など
    地代家賃 事業所や店舗などの家賃
    水道光熱費 水道料、電気代、ガス代など
    修繕費 固定資産などに係る修理費用
    通信費 電話代やインターネット代など
    接待交際費 接待等を目的とした食事や贈答品など
    新聞図書費 新聞や書籍など
    荷造運賃 荷造運送費、梱包費など
    旅費交通費 電車やタクシーなどの交通費と宿泊代
    消耗品費 10万円未満のパソコンや文房具などの事務用品
    減価償却費 固定資産を耐用年数に基づき複数年で費用化する金額
    外注工賃 デザインやイラストなどの外注費用
    支払手数料 販売手数料、振込手数料、仲介手数料など
    保険料 損害保険料、自動車保険料など
    給料賃金 従業員の給与、賃金、賞与など
    福利厚生費 従業員のための菓子代