「ニトリ」が米国から撤退 2023年4月までに全2店舗を閉鎖

「ニトリ(NITORI)」を展開するニトリホールディングス(以下、ニトリHD)は9月30日、2023年4月までに米国事業から完全撤退すると発表した。現在、米国で営業しているタスティン店とオンタリオミルズ店の全2店舗は閉鎖し、2023年後半に現地法人を清算する予定。米国市場には2013年に進出し1号店を開店、その後5店舗まで拡大したものの、収益性の改善が困難なことから、今後有望な市場と捉えている東アジアと東南アジアへ注力する。ニトリHDは、国内では2022年8月時点で「ニトリ」や「島忠」など708店舗、海外では93店舗を展開しているが、今期中に合計939店舗まで拡大する考えだ。なお、米国市場からの撤退による業績に与える影響については軽微だとしている。

ニトリHDは同日、2023年3月期第2四半期決算を発表している。売上高は4230億円(前年同期比102.1%)、営業利益は690億円(同89.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は514億円(同95.5%)だった。アプリの会員数が増加し、店舗とEコマースを併用する利用者が増えている。2022年8月末時点で会員数は1446万人で、今期末までに1600万人を目標としている。通販事業もライブコマースを活用することで売上高が増えており、前年同期比で111.9%増となる405億円だった。