開発期間10年!月着陸機「SLIM」に供給…ダイヤフラムが克服した課題

中興化成工業(東京都港区、庄野直之社長)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月着陸実証機「SLIM(スリム)」向けに、タンク内部品のダイヤフラムをフッ素樹脂(PTFE)で製造し供給した。従来の金属製より柔軟性を高め、軽量化も実現した。JAXAやタンク本体を製造する三菱重工業と連携し、約10年をかけて開発した。

サイズは直径約600ミリメートル、薄さ1ミリメートル以下。PTFEを切削加工し製造した。中興化成による大型で薄肉のダイヤフラムの製造は初。重量は非公表。

ダイヤフラムはタンク内部でポンプの機械部と搬送する液体を隔てる。酸化剤の貯蔵部分に用いられた。ダイヤフラムの半球部分がへこむ動作に柔軟性が求められるほか、薬液耐性からもPTFEが採用された。

同社で実績のある小径品の知見を応用し、大型かつ変形しやすい素材を均一に切削する課題を克服した。同社ダイヤフラムの宇宙空間での使用も初めて。