コンサルタントをしているなかで、組織の代表者と接する機会だけでなく、中間管理職の方と話すことも多くあります。そのなかには、自らの仕事に不安や迷いを抱えている方も少なくありません。プレイヤーとして優秀な成績を残したからこそ中間管理職に抜擢されたはずの人たちが行き詰まるのですから、マネジメントは難しいものと捉えられがちですが、正しいやり方を学べばすぐに状況は改善します。本記事でポイントをお伝えします。

感情を表に出さずに部下と接すべし

中間管理職になったとき、部下とはどのように接するべきでしょうか。「明るく笑いも交えながら指導しよう」とか「ときには怒ることも必要だ」など、いろいろと試行錯誤している人がいます。

ただ、明るく笑いも交えながら接することは部下にとって好ましいかもしれませんが、部下がルールや指示を守れなかったとき、上司もついつい指摘ができなくなって、規律が緩んでしまう危険性があります。また、怒りっぽい上司の下では、部下が上司の顔色ばかり見て仕事に集中できない状態になってしまうでしょう。

中間管理職は、基本的には感情を表に出さずに部下と接してください。部下がルールを守れなかったとき、失敗したときでも淡々と冷静に話をすることが重要です。上司が安易に喜んだり褒めたりすることもいけません。そうすると部下の当たり前の基準が下がってしまいます。

上司が感情を出してよいのは、四半期または半年の評価の区切りの際に、部下やチームが目標を大きく上回る成績を残したときだけです。それこそ、目標に対して3割4割結果が上回ったときに限れば、当たり前の基準が上がります。

いつもは冷静な上司が大きく目標をクリアしたときに一緒に思いっきり喜んでくれる、そんな上司になってください。

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部下に納得を求めない

部下に指示をする際、部下がその仕事の意味に納得するまで話をするべきだと考える人がいるのではないでしょうか。識学では中間管理職の方に対して、部下が納得・腹落ちするまで話をする必要はありませんとお伝えしています。

納得するまで話し合おうとしても時間ばかりをいたずらに失い、結局平行線になるだけです。また、部下が「納得できない」と言えば上司が寄り添ってくれるとなれば、部下は次第に上司の指示やルールを無視するようになるでしょう。

そもそも中間管理職とは、会社から任された部署の責任を負う代わりに部下に指示をする権限を与えられた存在です。部下は上司の指示を実行し、目標をクリアしていくことで給与を得られます。

納得するまで説明してくださいという部下は、自らの役割を正しく認識していない人です。それに付き合ってはいけません。部下が納得するしないに関わらず、実行するように言い切ることが重要です。

ただ、感情で押さえつけるのではなく、指示を実行する上で起きそうな弊害は情報としてきちんと聞いた上で指示を変えるのか変えないのか判断すればよいだけです。部下が迷わないように説明はきちんと行いましょう。