
「初めて部下を持つことになったものの、部下をマネジメントするとは具体的に何をすればよいのだろうか」
このような悩みを抱え、インターネットで「部下 マネジメントとは」などと検索している中間管理職の人は多いのではないでしょうか。実は、私もかつてはそんな一人だったのです。今思えば、やりがちなマネジメントのミスを連発し、疲れ果てておりました。そこで、今回は私がかつて犯したミスを振り返りつつ、識学講師の視点から、中間管理職がすべき正しいマネジメントについて解説していきたいと思います。
私が身に付けようとしていたマネジメント
私は30歳の頃に人生で初めて上司の役割を任されました。当時、生命保険会社に勤務しており、20名を超える営業職員を管理する営業課長のポジションに就いたのです。期待と不安が入り交じる思いで、中間管理職に求められる能力について独自に調べた記憶があります。
するとどうでしょう。以下の全ての能力を兼ね備えている必要があるらしいと分かりました。
- 高いコミュニケーション能力
- 課題解決に向けてのリーダーシップと決断力
- 部下とチームの育成力
- 柔軟性とバランス感覚
- 危機察知能力と危機管理能力
その後に開催された管理職研修では、特に部下とのコミュニケーションが大切であると学びました。「傾聴」や「観察力」を駆使して部下の変化を見逃さず、その場に応じた声かけをすることや、「部下が目標達成に近づくように育成・管理もしっかり行いましょう」と教えられたのです。
正直なところ、「とんでもなくハイレベルな役割だな」と途方に暮れてしまった記憶があります。
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時間とエネルギーを費やしたのに部下が全く育たない
結果的に、私の人生初マネジメントは迷いに迷ったものとなってしまいました。
部下の変化を見逃さないために、毎月20名以上の部下と1on1ミーティングをした上で各人に応じたアドバイスをしたり、営業に同行して契約を獲得する背中を見せたりしました。好かれようと全員の誕生日に自腹でプリザーブドフラワーと手紙をプレゼントしましたし、飲み会では体を張った芸で失笑を買ったこともありました。部下のタイプを見極めてマネジメントスタイルの甘辛を使い分け、いろいろなことにトライしたのです。
しかし、空回りするばかりでした。うっかり誕生日プレゼントを忘れたら非難轟々。「課長なんだから体を張って失笑を買われている場合ではない」と指摘する人もいれば、「そのキャラが武器だからいいと思う」と擁護する人も。部下を思って厳しいガイダンスをしたら泣かれてしまってオロオロしたこともありました。
何より、これだけ時間とエネルギーを費やしているのに部下が全く育たなかったのです。成績が悪ければ「課長がモチベーションを下げたせい」とか「同行で決めてくれなかったからだ」と言われ、自分の仕事を人任せにする部下ばかりになってしまうのでした。