京都駅前地下街ポルタは8月26日、第2期改装区画(西エリア飲食店ゾーン)をリニューアルグランドオープンする。

<飲食エリア第2期改装>


7月1日に京都ステーションセンターと京都駅観光デパートが合併して誕生したJR西日本京都SC開発が運営する同施設は3月25日、京都ステーションセンターのもと飲食店ゾーンの第1期改装区画12店舗をリニューアルオープンした。今回、第2期改装区画12店舗の改装内容が固まった。

ポルタの飲食店(レストラン、カフェ)は、地下鉄京都駅改札口より西側の西エリアに27店舗、同じく東側の東エリアに8店舗の計35店舗があり、これらを総称して「ポルタダイニング」としている。今回のリニューアルは、これら「ポルタダイニング」35店舗のうち、西エリアの飲食店ゾーンにある24店舗が対象となる。

ポルタの飲食店は、これまで国内外から訪れる観光客への依存度が総じて高く、業種的には観光客に人気の麺類など一部業種への偏りが見られた。

ランチタイムでも比較的高価格帯のメニューが幅を利かせる一方、ディナータイムでもランチ同様セットメニューが主流を占めるなど、必ずしも地元顧客が普段使いしやすい飲食店ゾーンとは言いにくい面があったという。

そこで今回のリニューアルでは第1期、第2期改装区画とも、例えばランチタイムはよりバラエティーに富んだメニューをよりリーズナブルな価格で、またディナータイムは食事だけでなくお酒もしっかり楽しめるなど、観光客だけでなく日常的にポルタを利用する女性買い物客や近隣のオフィスワーカーなどが普段使いしやすい飲食店ゾーンを目指す。

具体的には、重複業種(麺類)を整理し、欠落業種(肉類・海鮮など)を新たに拡充。ポルタの主要顧客層である、女性に支持される店舗を増強する。夜飲みに強い店舗、集客力に定評のある話題の店舗を導入、テークアウトニーズへの対応を強化していく。

<夜飲みに強い店舗導入>


「みえまぐろ」を中心に伊勢志摩や熊野灘で育まれた地魚、天然はまぐりなど三重の物産をふんだんに取りそろえた「三喰撰酒 三重人(さんしょくせんしゅ みえじん)」、牛・豚・鳥・ジビエなど国産肉にこだわった「鉄板・串焼き SABRINA」、旬の京野菜や京都米など京都産の食材がふんだんに楽しめるJA全農京都プロデュースの「みのるダイニング」など、素材にこだわりぬいた店が新登場する。

また、中華でありながら和や糀(こうじ)のテイストを取り入れた「糀・幸福飯店(こうじ・はっぴーはんてん)」、ビストロ料理をリーズナブルに楽しめる「フレンチ酒場 GOLD」、立飲み席も用意したコスパで勝負の「食堂酒場 京へそ」が出店。ソースの二度づけ禁止で有名な串かつだるま」が京都に初登場する。

改装前から引き続き再登場するのは、明治30年創業の京都で初めての洋食屋「グリルキャピタル東洋亭」、京料理の老舗・萬重がよりお気軽にとの気持ちを込めて改称した「京料理 萬重 小庵(まんしげ しょうあん)」、本格江戸前天ぷらをリーズナブルに提供する「ハゲ天」、スパゲティ専門店「洋麺屋五右衛門」。また食事やアルコールメニューを強化して「Sir Thomas LIPTON」が復活する。

西エリア飲食店ゾーン第2期改装区画12店舗以外にも、8月26日に京都の老舗洋菓子店「バイカル」が第2期改装区画に隣接する区画にオープン予定だ。

さらに、開放感のある、五感を刺激する店舗設計。京都らしさが感じられる環境を演出する。

<京都らしい内装に仕上げた>


今回のリニューアルでは、ポルタ西エリア飲食店ゾーンを「京の町並み」、「京の邸宅」、「京のお庭」の三つのイメージで構成した造りとする。3月に先行オープンした西通りから東側の第1期改装区画は「京の町並み」をイメージし、軒が連なる京都の小さな路地を表現したが、今回の第2期改装区画のうち西通りから西側のゾーンについては「京の邸宅」をイメージし、屋敷の室内空間を表現。欄間格子と聚楽のモチーフ、竹やもみじのある中庭の表現が京町家の風情を漂わせる。

西通りそのものは「京のお庭」をイメージし、嘉永元年(1848年)京都創業の植彌(うえや)加藤造園監修のもと、京都の町の縮景をテーマにした日本庭園を表現。西通りには鴨川を表す天然石が敷かれ、その付近にはテークアウトした商品を食べられるベンチも配置する。

■ポルタの概要
運営会社:JR西日本京都SC開発
所在地:京都市下京区烏丸通塩小路下る東塩小路町902番地
営業時間:物販・サービス店11時~20時30分、飲食店11時~22時(一部営業時間が異なる店舗あり)
定休日:不定休
店舗数:128店舗
店舗面積:約1万200m2