エービーシー・マートが7月13日に発表した2023年2月期第1四半期決算によると、売上高691億7100万円(前年同期比10.5%増)、営業利益105億3300万円(26.8%増)、経常利益107億6300万円(24.4%増)、親会社に帰属する当期利益70億1700万円(30.6%増)となった。

シューズ業界では、スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、屋外での活動が増えたことからレジャーやアウトドア系ファッションの需要、またオフィス需要も拡大した。このような状況下、グループは、デジタルインフラの強化、グランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズとスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応した。

販売戦略では、SNSによるデジタル広告を中心に実店舗への訴求効果を高める販売促進を進め、客単価の改善による売上総利益の向上に努めた。商品展開では、春の新作スニーカーを中心にナショナルブランドの限定商品の販売に注力した。レジャーやアウトドア需要が増したことから防水系スニーカーやレザーカジュアルシューズの売上が好調に推移した。一部でオフィスワークへの回帰が見られるようになり、ビジネスシューズやレディースシューズの売上も大きく伸長した。

デジタルコマースでは、感染者の減少と人出の増加により実店舗が通常営業となったことから、デジタル売上高構成比は前年同期と比べ1.4ポイント低下し13.1%となった。半面、実店舗を活用したデジタル戦略は進んでおり、実店舗におけるEC利用(倉庫在庫の発注)やECにおける実店舗での受け取りは増加した。

国内店舗では、3年ぶりに規制のない春商戦であったことから、ファッションビルやショッピングセンターなどで集客が多く、また22店舗の新店の売上が寄与したことから、全店の売上高増収率は16.7%増、既存店は8.8%増となりました。春の新作商品の販売が好調であったことから、客単価も5%近く上昇した。

出退店は、国内外合わせて32店舗の新規出店、11店舗の閉店を実施した。グループの期末店舗数は1428店舗となった。

通期は、売上高2717億円(11.4%増)、営業利益320億円(16.6%増)、経常利益322億円(13.9%増)、親会社に帰属する当期利益209億円(20.2%増)を見込んでいる。