日中に影が消える怪現象!?「ラハイナ・ヌーン」の謎に迫る!

光があれば必ず現れる影。そんな影が姿を消すという「ラハイナ・ヌーン」という不思議な現象をご存じですか? 夜の闇に溶け込むのではなく、日中に起きるこのミステリーに迫ります!
影が消えるラハイナ・ヌーンとは
影が消える現象は最近見つかったことではなく、古くから一部の人たちには知られていました。少し前まで見えていた影が、白昼消えるという不思議なものです。■影がない!
まずはこちらの画像を、手前のポールに注目してご覧ください。奥の建物の手前には木立の影がしっかり写っていますが、手前のポールには、そう影がないのです!
この画像はホノルル市にある、ハワイ州でも最高クラスの展示を誇る博物館「ビショップミュージアム」で公開されているものですから、加工などしていないホンモノ。ハワイには神話が多く、キラウエア火山には女神ペレが棲んでいて、勝手に溶岩を持ち帰ると不幸になるという言い伝えも。もしかしたら、影を消してしまうような妖精や怪現象が起きるのでしょうか?
次の写真も同じく、手前の円筒形のゴミ箱のようなものには影がなく、奥のヤシの木や、小さくて見えにくいものの、通行人やベンチにも影が確認でるでしょう。大手旅行代理店HISのハワイ情報サイトで紹介された画像なので信用できるもの。

■ラハイナヌーンの決定的瞬間を捉えた!
続いて影の消える、ラハイナ・ヌーンの決定的瞬間を捉えた動画を紹介します。画面の中央に位置する標識の根元にある影を見ていると、52秒のあたりで支柱の影が見えなくなる様子をはっきり捉えています。こちらの動画は日本の国立天文台ハワイ観測所「すばる望遠鏡」YouTube公式チャンネルのものですらからフェイクではありません。
ラハイナ・ヌーンの正体
じつは、太陽が出ているのにもかかわらず影が消えるラハイナ・ヌーンは、太陽が真上を移動することで垂直に立つ物体の影が見えなくなる現象のこと。上の動画でも、標識の支柱の影は消えていても、方向を示すプレートの影はしっかり残っています。
■直立したもの以外は影が見える
下の画像は、動画と同じすばる望遠鏡の公式サイトで紹介されたもの。本来、背の高いヤシの木には長い影ができるはずですが、ラハイナ・ヌーンになると、幹の部分がほとんどありません。
<出典:国立天文台>
ちなみに、ラハイナ・ヌーンという名称は前述のビショップミュージアムで行われた一般公募によって決められたものです(ハワイ語で「la」は太陽、「haina」は過酷なという意味)。
■ラハイナ・ヌーンが見られる場所
ラハイナ・ヌーンはハワイ固有の現象ではなく、北回帰線と南回帰線に挟まれたエリアで年に2回発生。残念ながら日本は沖縄でも北回帰線より北に位置するため見ることができず、最も近くで見られるのは台湾の南部です。ハワイは主要6島でも観測でき、なかでもおもしろいのがオアフ島のダウンタウンにあるホノルル・ハレ(Honolulu Hale/ホノルル市庁舎)近くにあるスカイ・ゲート(Sky Gate)。一見すると歪んだ奇妙なオブジェですが、ラハイナ・ヌーンのときだけきれいな丸い影が発生するようにデザインされています。


▲左が通常の影。右がラハイナ・ヌーンのときの影。「Atlas Obscura」より
スカイ・ゲートはカメハメハ大王像から見えるホノルル・ハレの裏手、公共交通機関「The Bus」やワイキキトロリーでも訪れやすい場所にありますよ♪
スマホのカメラで撮影するときも照明の真下に立つと、影の見えないおもしろいシーンを撮ることができますから、ぜひ挑戦してみてください。
ちなみに、自分の足元の影が小さくなっているか確認したいときは、他の人に写真や動画で撮影してもらうことをおススメします。足元を見るために下を向くと、頭の影ができてラハイナ・ヌーンが台無しになるからです!
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