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2021/07/15

【1924-2021】歴代オリンピックのロゴ一覧。エンブレムに隠された意味と歴史

長い歴史をもつオリンピックのロゴ(エンブレム)は、時代背景やトレンドに合わせて姿を変えてきました。

その変化を追うとともに、デザインの由来や理由、当時の反応も振り返ってみましょう。

パリ – 1924年 夏

参加国数は29から44に急増し、取材陣は1000人にも及んだというパリ大会。

オリンピックが広く受け入れられはじめたとともに、公式ロゴの採用がスタートしました。

レークプラシッド – 1932年 冬

アメリカのレークプラシッドで行われた冬季オリンピックのロゴです。

1930年代のアメリカン・アール・デコブームを思わせるような色使い。20世紀に作られた大量消費の家電・雑貨には、アメリカン・アール・デコの色やパターンが使われていたので、日本人にとっても懐かしみのあるようなデザインではないでしょうか。

ロサンゼルス – 1932年 夏

星条旗の模様が描かれた盾をモチーフにしたロゴ。

この年は、ロサンゼルス以外に立候補した都市がなかったので無投票で決まりました。

ガルミッシュ・パルテンキルヘン – 1936年 冬

ドイツ・バイエルン州のガルミッシュ・パルテンキルヘンで開催された冬季オリンピックのロゴ。ツークシュピッツェ山をメインにしたエンブレムです。

幾何学的・機械的なフォルムのタイポグラフィは、1930年代のバウハウス・ムーブメントを感じさせます。

ベルリン – 1936年 夏

ロゴはベルをモチーフにしたもの。昨年WIRED社(米)が行ったミルトン・グレイザー氏への取材では、「奇妙で焦点がない」という酷評を得ていました。

ヒトラーの政権下で開催されたベルリンオリンピック。プロパガンダの獲得を狙って開催準備を進めていましたが、ヒトラーが迫害したユダヤ人や諸外国が、開催権の返上やボイコットを行う動きを見せていました。そのような経緯もあって、オリンピックの開催前は一時的に人種差別政策を緩和していたようです。

サン・モリッツ – 1948年 冬

成長やエネルギー、生命力、治癒力等の象徴とも言われるサインフェイスがモチーフになったロゴです。

開催地選びが行われたのは第2次世界大戦の真っ只中。IOCは、戦火に晒されなかった中立国スイスを開催地に選びました。 サン・モリッツには、現在もアルペンリゾートとして多くの観光客が訪れています。

ロンドン – 1948年 夏

ロンドンのランドマークである時計塔「ビッグ・ベン」がモチーフになっています。

クラッシックなデザインが、紳士の国イギリスらしくて素敵ですね。

オスロ  – 1952年 冬

ノルウェーの首都・オスロで開催された冬季オリンピックのロゴです。

中心には北欧らしい、シンプルなモチーフが鎮座しています。

ヘルシンキ – 1952年 夏

ロゴにはヘルシンキオリンピックのスタジアムがデザインされています。ブルーとホワイトのシンプルなデザインで、目を引きますね。

このオリンピックが開催された1950年代から、北欧のスカンディナヴィアデザインが世界中に広まり、多くの賞を受賞するようになりました。

コルチナ・ダンペッツオ – 1956年 冬

雪の結晶をかたどった円の中に、5つのリングと星が浮かんでいます。

ポスターやメダルにも、雪の結晶モチーフがあしらわれました。

メルボルン / ストックホルム – 1956年 夏

松明の上に、オリンピックのリングが重ねられ、下半分には国のマークと月桂樹の枝が両側に広がっています。

オーソドックスな組み合わせで、トラッドな印象を得ますね。

スコーバレー – 1960年 冬

アメリカの旗に含まれるの3色を使い、三角形を重ねることで、星条旗の「星」や冬季オリンピックならではの「雪の結晶」を表現しています。

スコーバレー大会の開会式の演出は、ウォルト・ディズニーが手掛けました。

ローマ – 1960年 夏

ローマ建国神話が由来となったユニークなデザインです。狼が2人の赤ん坊に乳を与えています。

エンブレムの中段の大きな文字は、ラテン語で「1960」を意味しています。

インスブルック – 1964年 冬

オーストリアのインスブルックで開催された冬季オリンピックのロゴ。下部にはインスブルック市の紋章が設置されています。

フラットでシンプルなデザインが、どこか今風ですね。

東京 – 1964年 夏

このロゴが発表されて半世紀以上経ったいまでも、そのデザイン性の高さや計算しつくされたディテールがしばしば語られています。

特筆すべきは、そのわかりやすさ。深く塗られたレッドと清潔感が「日本」を感じさせると同時に、スポーティーなタイポグラフィーが動感を表しています。 アートディレクターの勝見勝氏とグラフィックデザイナーの亀倉雄策氏がデザインし、2020東京オリンピックロゴへも影響を与えたといわれています。

グルノーブル – 1968年 冬

雪の結晶と、白い五輪マークを配置したシンプルなデザイン。

「X Olympic Winter Games – Grenoble 1968」という言葉がイメージの周りに書かれています。

メキシコ – 1968年 夏

メキシコシティで開催されたオリンピックのロゴには、幾何学的な直線や曲線が用いられ、これまでのオリンピックのイメージを一新させました。五輪マークがロゴタイプに違和感なく溶け込んでいるのがポイントです。

建築家のエドゥアルド・テラザス氏、ランス・ワイマン氏、ペドロ・ラミレス・バスケス氏の3名による合作です。

札幌 – 1972年 冬

1964年 東京オリンピックのイメージを継承し、リデザインされたロゴ。 日本古来の紋章「初雪」で冬を表現しています。

各要素を正方形に整理したことで、縦長、正方形、あるいは立方体に変化させられます。流動的でありながら一つのイメージを築くことができるという、近代性をはらんだマークです。

ミュンヘン – 1972年 夏

オリンピックの長い歴史の中でも、とりわけ異彩を放つのがミュンヘンオリンピックの抽象的なロゴマーク。光の冠を表しており、新鮮さ、寛大さの象徴とされます。

ミュンヘンオリンピックでは、選手村にテロリストが侵入し、計11名の選手が殺害されるという事件が起こった、悲劇的な大会でもあります。

インスブルック – 1976年 冬

2回目の冬季オリンピックが開始された、インスブルック大会。

1964年に同市で開催されたロゴに比べてやや細い線で描かれており、スタイリッシュさが増しました。

モントリオール – 1976年 夏

五輪マークの上に伸びたドローイングは、モントリオールの頭文字であるMを表現しています。陸上競技場のトラックのようにも見えますね。

この大会はオイルショックの影響もあり、カナダ(モントリオール)が多額の負債を抱えるきっかけとなってしまいました。

レークプラシッド – 1980年 冬

右下の三角形は、ニューヨーク州北部の山々を表しています。

安全性の確保のため、オリンピック史上はじめて、人工雪の機械が使用されました。

モスクワ – 1980年 夏

五輪マークの輪の上に、5本の平行線がピラミッド型に配置されており、頂点には星が輝いています。

スピード感や向上心、強さを伝えると主に、モスクワの都市建築の風格も表現しました。

サラエボ – 1984年 冬

五輪マークの下には、サラエボ地域の伝統工芸である刺繍テイストの雪片が大きくあしらわれています。

シンプルながら独自性のある、良デザインです。

ロサンゼルス – 1984年 夏

疾走感のある星のマークが特徴。アメリカ国旗の色でもある、赤、青、白が使われました。

13本の横線は、米国独立時の13州を表しています。

カルガリー 1988年 冬

オリンピックのリングの上に、円を組み合わせトリミングした結晶マークがおかれました。

カナダの国の紋章であるメープルリーフや、カナダの「C」、カルガリーの「C」など、さまざまなイメージに捉えられる面白いデザインです。

ソウル – 1988年 夏

韓国の伝統的な模様である「三太極」をモチーフに採用。

世界から韓国へ人が集まるようにとの願いを込めて、求心力や遠心力をイメージさせるデザインが選ばれました。

アルベールビル – 1992年 冬

フランス・サボア地方のモチーフカラーである赤が採用された、炎をイメージしたロゴマークが特徴です。

なお、これまで夏季オリンピックと冬季オリンピックは同じ年に行われてきましたが、この大会を最後に開催年をずらすことになりました。

バルセロナ – 1992年 夏

バルセロナのデザイナーであるジョセフ・マリ・トリアス氏が設計したロゴデザイン。「障害物を飛び越える」という、シンプルでわかりやすいジェスチャーが特徴です。

キャラクターの頭には地中海をイメージした青色、腕には太陽をイメージした黄色が採用されました。

リレハンメル – 1994年 冬

オーロラや雪の結晶をモチーフにしたエンブレム。

劇的な光景を想起させるデザインで、自然に包まれたノルウェー北西部の魅力を伝えています。

アトランタ – 1996年夏

オリンピックの100周年を示した文字が、古代ギリシャの建築デザインを想起させます。

背景のグリーンは、緑の都市アトランタをイメージしたものです。松明は、選手の能力を表す星マークと関連させています。

長野 – 1998年 冬

花、人の輪、雪の結晶をテーマにしたロゴです。 1000点以上のデザイン候補の中から、篠塚正典氏が制作したものが選ばれました。

カラフルなスノーフラワーからは、長野県の美しい自然環境が伝わってきます。

シドニー – 2000年 夏

アスリートの姿を表したエンブレム。オーストラリアの先住民であるアボリジニを彷彿させるようなデザインです。

シドニーのオペラハウスをイメージした青いドローイングは、オリンピック聖火の煙のようにも見えます。

ソルトレークシティ – 2002年 冬

雪の結晶をイメージしたエンブレムに、黄色、オレンジ、青のカラーが採用されました。これはアメリカのユタ州・ソルトレークシティの町の遺産や、自然の豊かさを表現しています。

なおソルトレークシティオリンピックは、9.11テロの翌年でもあります。入場式には、世界貿易センタービルの残骸から発見された星条旗が持ち込まれました。

アテネ – 2004年 夏

白と青は、ギリシャの伝統的な家屋のカラーから着想を得て採用されました。モチーフは、アテネで神聖な木として親しまれている、オリーブの木枝で作られた花冠です。

この大会は世界から最も注目を集めたオリンピックでもあり、39億人がテレビ視聴していたそうです。

トリノ – 2006年 冬

五輪マークの上に、トリノの象徴的な建築物であるモーレ・アントネリアーナのシルエットが描かれています。

山と雪空が同化していく様子にも見えますね。

北京 – 2008年 夏

中国伝統の印章のようなテイストと、書道の技術を融合させたデザイン。モチーフには北京の異名である「Jing」という文字が含まれています。

これまでにない純アジアなテイストで、人気の高かったロゴです。

バンクーバー – 2010年 冬

カナダの先住民であるイヌイットの文化で、石を積み上げ人間の形に見せる「イヌクシュク」という風習があります。

旅人への道しるべの役割を担っていたことから、歓迎の意味を込めてロゴに採用されました。

ロンドン –  2012年 夏

「2012」の4つの数字をかたどった図形を、不規則に配置したデザイン。なお上記のピンクのロゴをはじめ、ブルー、グリーン、オレンジの4種類があります。

「ポップで画期的」という感想を持つ人がいる一方、「わかりづらい」という意見も。 また、一ツ目のマスコットキャラクターが採用され、子どもたちに怖がられることもしばしばありました。

ソチ – 2014年 冬

ソチ大会のロゴは、「sochi2014.ru」というURLを組み込んだ斬新なデザインです。

デジタルの普及と、新時代の到来を感じるものとなっています。

リオ – 2016年 夏

調和の取れた多様性、伝染力のあるエネルギー、豊かな自然を表したロゴ。ブラジルらしく、「祭り」からインスピレーションを得ています。

人々が手を取り、国の未来を発達させていきたいという希望の象徴でもあります。

ピョンチャン – 2018年 冬

 

左側のモチーフは天・地・人の3つの要素が調和している様子を、右側のモチーフは雪とアスリートを表しています。

青、緑、黄、赤、白の5つのカラーは、五輪のカラーであるとともに、韓国の伝統的な配色でもあります。

東京 – 2021年 夏

野老朝雄氏が手掛けたエンブレム。日本古来の文様である「市松模様」を円形に繋いだデザインです。形の異なる3種の四角形を組み合わせ、多様性と調和のメッセージを伝えています。

なお、新型コロナウイルス蔓延の影響によりオリンピックが2021年に延期されましたが、「2020」のロゴタイプはそのまま使われることになりました。

(執筆&編集:Workship MAGAZINE編集部)

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