2020/03/27
スマホ決済の基本知識を解説。種類やメリット、おすすめアプリも
近年話題のスマホ決済について、利用してみたいと考えている人も多いでしょう。使いこなせれば便利なサービスですが、決済方法やサービスの種類の違いなどは事前に理解しておくことが大事です。スマホ決済の概要やおすすめアプリなどを解説します。
スマホ決済とは?

スマホだけで決済が完了するシステム
現金やクレジットカードで支払うのではなく、スマホのみを使用して決済するシステムのことを、『スマホ決済』と言います。 レジにある端末にスマホをかざしたり、画面に表示させたQRコードを読み取ってもらうことで、決済が完了する仕組みです。 わずか数秒で決済できることや、現金やカードを持ち歩く必要がないことなどから、便利な支払い方法として多くの人に選ばれています。 日本政府がキャッシュレス化を推進していることもあり、スマホ決済システムを導入する店舗も増加しています。これからますますニーズの高まりが予想される決済方法です。スマホ決済の種類

非接触IC決済
『非接触型決済』とも呼ばれ、スマホを専用端末にかざして決済する方法です。端末に電子マネーなどを接触させなくても情報のやり取りができることから、非接触という言葉が使われています。 非接触IC決済を利用するためには、スマホにインストールした決済アプリに、電子マネーやクレジットカードなどを登録する必要があります。 モバイルSuica・Google Pay・おサイフケータイ・QUICPayなどが、ここに分類される決済方法です。スマホに内蔵されたNFC・FeliCa・Bluetoothなどの技術を用いて、端末とスマホ間で情報がやり取りされます。QRコード決済
スマホにQRコードやバーコードを表示させ、レジで読み取ってもらう決済方法です。反対に店舗側でQRコードやバーコードを表示してもらい、スマホで読み取る場合もあります。 古いスマホの中には、前述した非接触IC決済に対応していない機種もあります。しかし、QRコード決済なら非接触IC決済が使えないスマホでも利用可能です。 また、店舗側にとっても、QRコード決済なら設備投資を抑えられるメリットがあります。店舗側が非接触IC決済に対応するためには、専用端末を導入しなければいけませんが、QRコード決済は専用端末の準備が不要です。 d払い・PayPay・楽天ペイ・LINE Payなど、今話題のスマホ決済は、QRコード決済に分類されます。キャリア決済
キャリア決済のキャリアとは、NTTドコモ・au・ソフトバンクなどの大手携帯会社のことです。 キャリア決済では、商品やサービスの購入代金を、各キャリアで契約しているスマホの利用料金と合算して決済できます。 かつてはオンライン通販における決済方法の一つとして利用されていましたが、最近ではスマホを使用した店舗での決済方法としても採用され始めています。 スマホの利用料金とまとめて支払いができることから、後払いのようなシステムとして人気を集めている決済方法です。スマホ決済のメリット

お金の流れを可視化できる
スマホ決済の良い点として、支払い履歴を確認できることが挙げられます。決済で利用したアプリに履歴が残るため、どこでいくら使ったのかが分かります。 支出の詳細を確認できるため、現金の管理が苦手な浪費癖のある人などにおすすめです。少額な買い物を頻繁に繰り返すような人にとっても、支出の見直しをしやすくなるでしょう。 決済アプリの中には、家計簿アプリと連携して利用できるものもあります。収支履歴を一つの家計簿アプリで一元管理できれば、わざわざレシートを保管して計算する手間が省けるため、家計管理も楽になります。ポイント還元やキャンペーンがある
利用金額に応じてポイントが還元されることも大きなメリットの一つです。ポイント還元システムを導入していないコンビニのような店舗でも、スマホ決済を利用すればポイントが還元されます。 スマホ決済のポイント還元は、店舗で導入されている独自のポイント還元に比べ、還元率が高いことも特徴です。キャンペーン期間中は、還元率が20%程度まで上がることもあります。 クレジットカードを登録すれば、カード利用でもポイント還元されており、二重でポイントを受け取れます。支払いの手間が少なくなる
スマホ決済なら現金の受け渡しを行わなくて済むため、支払いの際に手間がかかりません。小銭を出したりお釣りを受け取ったりすることもなく、会計をスムーズに済ませられます。 カードで支払う場合も、暗証番号の入力やサインが必要です。スマホ決済ではこれらの作業が必要ないため、カード払いより手軽で素早く決済できます。 近所で少額の買い物をするだけなら、スマホだけ持っていれば財布を持ち歩く必要がなくなります。現金やカードの紛失リスクを軽減できることもメリットと言えるでしょう。 店舗側としても、現金を扱わなくて済むことから、レジと現金の計算が合わないといったリスクを抑えられます。カード払いで発生する利用控えの管理も必要ありません。支払い方法の違い

前払い(プリペイド、チャージ)
スマホ決済アプリへ事前にチャージし、チャージした金額の範囲内で決済に使用できるシステムです。利用上限を自分で決められるため、使い過ぎを防げるメリットがあります。 チャージできる金額も、上限が定められているケースがほとんどです。非接触IC決済とQRコード決済の多くは、前払い方式が採用されています。 チャージの方法は、アプリやサービスによりさまざまです。現金・クレジットカード・銀行口座振替でチャージできるほか、各種ポイントをチャージできる場合もあります。 サービスによっては、決済アプリとカードを連携させ、残高がなくなった場合に自動で一定額をチャージする『オートチャージ機能』が使えます。後払い(ポストペイ)
決済した金額を、後からまとめて支払う方式です。クレジットカードやスマホの利用料金など、毎月決まった期日に請求されるシステムとひも付けして利用します。 後払い方式なら、チャージをする手間を省けます。スマホの利用料金と合算する場合は、クレジットカードも不要です。 また、クレジットカードでの決済では暗証番号やサインを求められることがありますが、スマホ決済ではこれらの作業を行う必要もありません。 後払い方式が採用されている決済として、iDやQUICPayなどが挙げられます。即時支払い(リアルタイムペイメント)
決済したタイミングで、登録された口座から決済額が支払われる方式です。銀行が提供しているスマホ決済サービスの多くで、即時支払い方式が採用されています。 即時支払いのシステムは、デビットカードをイメージすると分かりやすいでしょう。銀行口座に決済額以上の残高がなければ支払いは行われず、決済エラーとなります。 即時支払い方式を採用している決済サービスとしては、ゆうちょ銀行の『ゆうちょPay』、みずほ銀行の『J-Coin Pay』などが挙げられます。 お金の使い過ぎを防げるという点では、前払い方式と同じです。即時支払いでは、銀行口座以外にクレジットカードやデビットカードもひも付けできます。スマホ決済を選ぶポイント

使用する機会の多さから
すべての店舗やサービスで、一様にスマホ決済が利用可能なわけではありません。また、使える場合も、どの決済サービスが利用できるか確認する必要があります。 決済方法を選ぶ際は、自分がよく利用する店舗やサービスで利用可能なものを選ぶことが重要です。 サービスを提供する事業者のサイトや、利用する店舗のサイトなどで、どの決済が利用可能か確認しておきましょう。 自分がよく利用するサービスにちなんだ決済を選ぶのも一つの方法です。楽天カードを所有しているなら楽天ペイ、メルカリの利用者ならメルペイを使うようにすれば、ポイントがたまりやすくなるなどの恩恵も受けられます。セキュリティはしっかりしているか
スマホ決済を選ぶ際は、高いセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶことも重要です。クレジットカード利用にはスキミング被害などのリスクが考えられるため、スマホ決済にも強固なセキュリティが求められます。 クレジットカードのセキュリティに関しては、日本クレジット協会より安全基準に関する指針が発表されており、この基準を満たしたセキュリティが施されていれば、安心して利用できる決済だと見なされます。 利用される端末などには、情報漏えいを防ぐための対策が施されていますが、大手の決済サービスを選べば、より安心して利用できるでしょう。 安全・安心なカード決済のための対策 | 安全・安心なクレジットカード取引への取組み | 一般社団法人日本クレジット協会おすすめアプリ 非接触IC決済

モバイルSuica
JR東日本の定期券や電子マネーとして利用できるほか、特急券の購入などにも使える『モバイルSuica』のスマホアプリです。チャージや定期券の購入、電子マネーの残高確認などが行えます。 カードタイプと異なり、アプリを利用すれば定期券の期限が切れそうになった際に駅以外の場所でも購入できます。 初めてモバイルSuicaを利用する場合は、利用登録が必要です。定期券や特急券を使う場合は、クレジットカードの登録も求められます。 多くの交通系ICカードは、モバイルSuicaの利用ができるものも増えているため、東日本エリア外でも検討してみましょう。Google Pay
アプリを導入し電子マネーをチャージすれば、手軽に決済できるサービスです。Androidだけでなく、iOS端末でも利用できます。 アプリ上でチャージする金額を設定し、クレジットカードまたはデビットカードを選択するだけで、楽にチャージできることが特徴です。ファストフード店や量販店など、利用できる店舗も続々と増えています。 Google Payの大きな魅力の一つに、Suica・nanaco・楽天Edyなどの主要電子マネーを一つにまとめて使えることが挙げられます。利用の際も、電子マネーの名前をレジで伝えるだけでよく、ほかに特別な設定は必要ありません。おすすめアプリ QRコード決済

d払い
クレジットカードの登録や銀行口座の登録で利用できるほか、ドコモの回線契約がある場合は、スマホの料金と合算すれば後払いでの決済も可能なサービスです。 QRコードやバーコードをスマホの画面に表示させ、レジで見せるだけで、簡単に決済できます。 決済200円(税込)につき1ポイントのdポイントがたまることも魅力です。あらかじめ設定しておけば、dポイントを決済にも利用できます。 dポイント加盟店で利用すれば、dポイントカードを提示することで、ポイントの二重取りも可能です。使い過ぎをアラームで知らせてくれる便利な機能も付いています。PayPay
ソフトバンクとヤフーが設立したPayPay株式会社が運営するサービスです。決済するたびに支払額の0.5%が還元されるため、お得にショッピングやサービス利用ができることも魅力です。 支払い方法は、バーコードを読み取ってもらうコード支払いと、店舗のバーコードをスマホで読み取るスキャン支払いの2種類があります。 PayPayの大きな特徴として、特定の店舗や期間を対象に、さまざまな還元キャンペーンを実施していることが挙げられます。現在のキャンペーンだけでなく、実施予定のキャンペーンも公表されているため、公式サイトなどで確認しましょう。楽天ペイ
楽天市場や楽天カードなどで知られる楽天が展開するサービスです。楽天の各種サービスで利用できる楽天ポイントを、200円(税込)につき1ポイントためられます。 保有する楽天ポイントは、楽天ペイの決済に利用することも可能です。1ポイント1円換算で支払いに使えます。楽天ポイント以外に、楽天キャッシュや電子マネーの楽天Edyも、楽天ペイで使用可能です。 支払い方法は、店舗から提示されたQRコードを読み取る方法と、アプリ上のQRコードまたはバーコードを読み取ってもらう方法などがあります。 アプリ内のメニューには、楽天ペイの決済が可能な店舗を検索できる機能があり、楽天の各種サービスを利用している人におすすめのアプリです。LINE Pay
支払いごとにLINEポイントをためられるアプリです。QRコードを読み取ってもらうだけで、簡単に決済できます。 LINE Payアプリのみのお得なクーポンが配信されており、クーポンを使ってそのまま決済することも可能です。 LINE Payが使える店舗は、LINE Payアプリ内のマップで検索できます。現在地の近くでLINE Payが使える店舗が探せるため便利です。 LINEポイントはスタンプ購入などにも使えるので、よく利用している人はLINE Payアプリの利用を検討してみましょう。スマホ決済の注意点
