この10年でロボット掃除機メーカーは驚くほど増えました。とはいえ、ロボット掃除機は安い家電ではないため「どうせ買うなら知っているブランドのモデルがほしい」と考える人も多いでしょう。世界中で知られているロボット掃除機といえば、アイロボットの「ルンバ」。しかし、ルンバの上位モデルは高性能なだけにどうしても高価格です。

 

そんななか、アイロボットが今年4月から発売したのが「Roomba Combo Essential robot」(ルンバ コンボ エッセンシャル ロボット、以下「Combo Essential」)という製品。この新製品、なんと吸引のほかに水拭きもできるモデルながら、直販価格3万9300円(税込)という驚異のハイコスパモデルなのです。


↑新モデルとなるRoomba Combo Essential robot。本体サイズは直径33×8cmと、上位モデルより数mm小さいです

 

製品写真を見てわかるように、カラーはブラックとホワイトの2色を用意。実は、ルンバシリーズでホワイトを発売するのは12年ぶり! そういった意味でも驚きの製品です。最近は白基調のインテリアも多いだけに、ホワイトを待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?

 

自動ゴミ収集機能を省いたコンパクトな充電ステーション

とはいえ、水拭き機能搭載ルンバといえば、最上位モデルの「Roomba Combo j9+」が直販価格19万9800円(税込)。16万円以上という価格差の大きさに不安になる人もいるでしょう。それでは、上位モデルとCombo Essentialの違いはどこにあるのでしょうか?


↑こちらは昨年発売されたルンバの水拭きモデル最上位機種「Roomba Combo j9+」

 

ひと目でわかる違いは充電ステーション。いまや、ルンバシリーズのほとんどは、自動ゴミ収集機能を搭載した充電ステーション「クリーンベース」を採用しています。このためゴミ捨ては数ヶ月に一度でOK。最上位モデルのRoomba Combo j9+ともなると、水拭き用の水まで自動で補充してくれます。一方、新製品のCombo Essentialの充電ステーションはシンプルに「充電のみ」。このため、掃除のたびにゴミ捨てが必要です。とはいえ、機能がシンプルだけに、Combo Essentialの充電ステーションはかなりコンパクト。狭い住居の場合は、むしろ使いやすいと感じるユーザーもいるでしょう。


↑シンプルで小さいCombo Essentialの充電ステーション。本体色に合わせてブラックとホワイトの2カラーが用意されています

 

掃除方法も上位モデルとは大きく異なります。ルンバ上位モデルは部屋の間取りを学習して最適な動きをする「賢い掃除」で知られていますが、Combo Essentialは掃除のたびにイチから地図を作る方式。このため「アプリで掃除するエリアや部屋を指定」といった動きはできず、基本的に毎回すべてのエリアを掃除します。掃除するときも「コードなどの障害物をカメラで認識して回避」といった上位モデルが持つスマート機能は搭載していません。


↑間取りの学習はしないものの、掃除後に「どこを掃除したか」をアプリで確認できます

 


↑搭載していない機能はいろいろあるものの、段差センサーなどの安全機能はしっかり搭載。階段から落ちるといった危険はありません

 

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コストを考慮してシングルアクションブラシを採用

また、ルンバシリーズの多くは吸引掃除機能に2本のゴム製デュアルアクションブラシを利用しますが、Combo Essentialは毛とゴムを使ったV字型のシングルアクションブラシになりました。ゴム製ブラシのような「たたき掃除」ができないため、Combo Essentialはカーペットでの清掃性能は少々落ちるそう。ただし、Combo Essentialは従来製品より吸引力をアップさせているため、フローリングの掃除は従来モデルと同等あるいはそれ以上の掃除性能があるといいます。


↑Combo Essentialの裏側。中央の吸引口には毛とゴム製のシングルアクションブラシを搭載しています